最近、色々な場面で「物事の本質」というものに関連する話をする機会が多くなりました。
ちょうど栄養学を学ぶ大学生達を前に、「作業」と「仕事」の違いについて、
料理を題材に話をする機会があったのですが、その反応たるや驚きの連続でした。
将来、栄養士・管理栄養士を目指している学生達に
「では、生玉ねぎのサラダを専門的立場から作ってみましょう」という問いかけに対して、
彼らから返ってきた答えのほとんどが、「生玉ねぎはスライスして水にさらすと辛味が少なくなり食べやすくなります」
というものでした。
かなり驚いたのですが
栄養系専門の大学生にも関わらず、栄養とその摂取についての知識と掘り下げが全く出来ていないのです。
少し専門的な話になりますが、
玉ねぎの辛味の成分は、「硫化アリル」という成分で消化液の分泌を助けて食欲を増進する作用をはじめ、
新陳代謝・神経の沈静化に必要なビタミンB1の吸収と活性化を促す作用があるとされています。
更に、血液をさらさらにして動脈硬化を予防する作用があることが報告されています。
ですが、料理人をはじめ栄養士もまことしやかに「玉ねぎは水にさらす」といった言動や行為がなされています。
これは硫化アリルの特徴として「水溶性」であることが起因しているのですが、結果として硫化アリルの他に、
様々な栄養素も流れ出てしまうことになるのです。
実は硫化アリルは「揮発性」でもあり、空気に1時間位(最低15分位)さらすことで揮発します。
この場合は、他の栄養素はもちろんそのままで辛味だけが和らぎます。
他にも、玉ねぎの繊維は縦に並んでいるので、繊維に沿ってスライスするのか
繊維に逆らってスライスするのかで、適切な調理法や料理も変わってくるのです。
何のための専門なのでしょう?と言いたくなります。
ただ、こう言った事があらゆる業種業態で日常的に行われているのも事実。
慣習や前例は、日本人の得意とするところですが、
大切な事は、「それは何故当たり前なのか?」「それはどういった内容、意味なのか?」という疑問を持つことです。
書類のコピーを頼んで、ホッチキスを止める。
こういった単純なことでさえ、「作業」になるのか「仕事」になるのか大きな差が出ます。
さて、皆さんが当たり前のように携わっている事は、
本当の意味で、「何故」なのか、きちんと理解咀嚼した上で携わっているでしょうか。
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