法務・会計コンサルティング
農業は、漁業、林業、鉱業といった自然界に働きかけて直接に富を取得する産業として第一次産業に分類されています。
そして、第二次産業や第三次産業とは違った第一次産業特有の会計処理や税務が存在しているので、一般事業とは全く異なる扱いと知識が必要になってきます。
詳細については、扱う品目によって異なりますので、都度、ご相談の際説明をさせて頂きます。
少し例をあげますと、
果樹栽培においては、軟弱系や果菜類と異なり、播種をして数か月で収穫できるものではありません。

この場合、会計上においては、育成仮勘定に振り替えておき、成熟樹齢に達した○年後に
「育成仮勘定」から「生物」勘定に振替え、果樹の法定耐用年数である○○年で減価償却していくのが本来の方法なのです。

ちょっとしたことで、税制対策につながる事が沢山あるのです。
農業生産法人設立融資サポート会計・税務業務


農業生産法人の設立といっても、株式会社、合資会社、合名会社、合同会社、農事組合法人のうち、いずれの組織形態をとるかを決めることが大切です。
組織形態を決めるには、農業生産法人の構成員要件や意思決定方法、法人税率、事業税の有無、定款認証、登録免許税などの違いをよくわきまえて、組織形態の変更可能性を考慮する必要があるかなど、多岐にわたる検討を加えておく必要があります。
このような各検討事項を、法人設立前に分かり易く・的確に説明をさせていただいた上で、法人の設立準備に取り掛からせていただきます。
そして、設立登記に関しては、当事務所に任せていただければ司法書士にお願いをすることで、ワンストップサービスを実現いたします。
農業生産法人となるための4要件
組織形態
法人組織の形態は、農事組合法人、合名会社、合資会社、合同会社、有限会社(平成18年以降は設立不可)、株式会社のいずれかであること
構成員
構成員が、①農地の権利を提供しているもの、②常時従事者(年間150日以上)、③農地保有合理化法人、④地方公共団体・農協、⑤産直契約を結んでいる消費者・農作業委託者であること
事業
農業及び関連事業(農産物加工、農作業受託等)の売上高が、売上高全体の過半を占めていること
(直近3ヶ年で判断)
業務執行役員
①業務執行役員の過半が、法人の農業や関連事業に従事(150日以上)する構成員であること、②①の役員が年間60日以上農作業に従事すること
農業生産法人比較

農業生産法人となるためには、次の4つの要件を満たしていなければなりません。

 
株式会社
合同会社
農事組合法人
準拠法
会社法 会社法 農業協同組合法
出資者
1人以上 1人以上 ①資格:農民、他
②人数:3人以上
定款認証
必要 不要 不要
議決権
1株1票 定款の定め OR 1人1票 1人1票
役員数
1人以上 1人以上 1人以上
取締役任期
原則2年 最長10年(定款の定め) 無制限 3年以内
役員資格
農民、定款に定める者 特に規定なし
法人税率
給与支払あり 同右
給与支払なし 19.0%
資本金1億以下
年間所得800万以下19.0%
年間所得800万超 25.5%
事業税
(地方法人特別税を含む)
非課税(畜産業を除く) 資本金1億以下
年間所得400万以下 4.887%
〃 400~800万 7.240%
〃 800万超 9.593%
登録免許税
非課税 最低6万円 最低15万円
農業生産法人のメリット・デメリット
 
メリット
デメリット
社会保険適用
社会保険・労働保険の適用により、従事者の福利が増進される 給与を支払う法人であれば、社会保険制度に強制加入となり、法人の経費負担増となる。
国民健康保険と年金を全額自己負担していたのが、法人と折半になる
就業条件が整備されることで、外部雇用を受け入れやすくなる 就業条件を活かすには、計画的な労務管理が必要となる
税制面
有利な法人税が受けられる
定率課税
欠損金の7年間繰越控除
損金算入の幅が広い
均等割りの納税義務が生じる
赤字法人でも税額が発生する
県民税 21,000円~
市民税 50,000円~
農事組合法人ならば事業税は非課税 合同会社と株式会社では事業税及び地方特別法人税の納付義務が発生する
年間所得
400万以下 4.887%
400~800万 7.240%
800万超 9.593%
個人所得が給与所得となる
農業所得では青色申告控除が最大でも65万円しか認められないが、給与所得の控除は65万円以上となる
専従者が給与所得者になれば、世帯主の所得から配偶者控除や扶養控除を受けることができるため、所得税額が減額する  
確定給与を支払わない農事組合法人の場合、従事分量配当や利用分量配当は法人の損金算入となる 従事分量配当や利用分量配当は個人の農業所得となるため、最大でも青色申告控除の65万円控除しか受けられない
認定農業者や特定農業法人になれば、農業経営基盤強化準備金の積み立てが可能となる  
農事組合法人と合同会社・株式会社との比較
 
農事組合法人
合同会社・株式会社
意思決定
 
専門農協と同様に1人1票制なので、なじみやすい 株式会社
1株1票制の株主総会決議だが、出資者が同額拠出すれば条件は同じ
合同会社
原則全員一致だが、定款で変更できる
給与
給与を支給する法人と支給しない法人を選択可能
給与を支給しなければ社会保険加入義務なし
従事分量配当等は給与ではなく農業所得
個人事業者としての収入は継続
給与支給をしないと、構成員の収入がない
法人税
給与支給法人は合同・株式会社の法人税と同じ
給与を支払わない法人は税率一定
年間所得
800万以上ならば 19%
800万超えると 25.5%
事業税
耕種農業は非課税 課税対象となる
構成員の収入
給与を支払わなければ不定期
給与支給すれば合同・株式会社と同じ
毎月、定額のサラリーマンとなる

農業生産法人となるメリットを最大限に生かせるのが、日本政策金融公庫のスーパーL資金(農業経営基盤強化資金)の融資でしょう。
農業経営改善計画を作成して認定を受ければ、個人の認定農業者の3.3倍の融資限度額を受けることができるようになります。
更に、東日本大震災の被災地では、平成25年度は「人・農地プラン」に基づく5年間実質無利子化の制度が受けられることになっています。「人・農地プラン」は被災地向けのプランですが、他業種にないメリットを享受できるチャンスであることに間違いありません。
このような有利な借入をするためにも、農業経営改善計画策定に関して当事務所がバックアップいたします。

農業生産法人は法人ですから、当然のことながら法人税の対象となります。
個人事業として農業経営をされていた方にとって、法人税の申告書は未知の世界であり、所得税の申告書とは比べ物にならないくらいの別表の多さにビックリすると思います。
また、法人組織とすることで、農地の賃貸や、農機具の賃貸といった新たな所得が個人に発生しますので、農業生産法人所得と個人所得(給与所得・農業所得・不動産所得等)をトータルで把握して、税務面で最善の策を施すことも忘れてはなりません。
また、農家の方は農地を所有しているのですから、相続税についても考慮に入れた農地の貸し借りについても頭に入れたうえの事業運営をしていく必要があります。、
このような税務・労務等の各方面に対するサポートを、的確に且つタイミングよく提供させていただきます。
株式会社然