José Ortega y Gasset(1883~1955)
スペインを代表する哲学者であり思想家であったオルテガ氏。
オルテガが生きた時代は、ファシズムが台頭する激動の時代でした。
この時代は、多数派が少数派を飲み込む全体主義が席巻し、これらを大衆が支持していました。
今の時代も、形を変えたある意味の「大衆の時代」が見受けられます。
「大衆」が社会的中枢に出てしまい過ぎると、民主制が暴走してしまい、
リベラル(異なる他者と共存しようとする冷静さ、寛容さ)が失われかねないというものです。
今回、この内容を取り上げた理由は、
経済成長が持続的に見込めるかどうかという点で、私達を取り巻くビジネスにおいて
『如何にAI(人工知能)とロボットを活用して生産性を向上させるか』という課題を、
社会全体がどうクリアするか、がとても大切だからです。
歴史を振り返ると、同じような事象はいくつも起こっているのです。
代表例は、18世紀後半のイギリスにあります。
紡績機が生まれたことにより、国民一人当たりの国内総生産(GDP)が5割以上増えたのに、
平均賃金は伸びず、低所得者層の支出は縮小し、結果として暴動が起きることになりました。
近代工業の誕生は大きな痛みを伴うものだったのです。
1990年前後から、コンピューターの活躍と共に始まった様々な自動化システムは、
イギリスの産業革命と良く似ています。
実際、アメリカでは自動化によって低所得者層の実質賃金は下がり続けています。
こういった事が日本でも起ころうとしているのです。
野村総合研究所のデーターでは、90%以上の確率で下記の職業はAI・ロボットに代替えされる可能性が高いとされています。
・電車の運転士
・一般事務員
・バス運転士
・レジ係
・清掃員
・銀行窓口
・建設作業員
・警備員
・自動車製造関係
・秘書
・航空管制官
・税務職員
・税理士
・行政書士
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こういった事に備える為には、
補完的な技能の教育訓練に投資をしていくことです。
弊社では、今年からまずはITパスポート、基本情報技術者資格の取得をすべてのスタッフに義務付けました。
自動化に伴う失業や大衆に迎合して人気をあおるポピュリズムは、
いずれは社会に亀裂をもたらし、技術や進歩そのものに反感を招きかねません。
時代を見据え、ゆるやかに変化に対応する姿勢は、
人だけでなく、あらゆるものが生き残る為に最も大切なことなのです。
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