It is only with the heart that one can see rightly,
what is essential is invisible to the eye・・・
Antoine de Saint-Exupéry(サン・テグジュペリ)の作品、Le Petit Prince(星の王子様)の、
あまりにも有名な一節です。
様々な料理人の方々と話をする機会がありますが、
料理人の勉強というものは、野菜や魚介、肉の下ごしらえから始まって、
最後に行きつくところ、どのくらいの品数を作ることができるか?ということになるらしい、です。
ただ、料理の場合は、食べてもらうお客様がいてこそ成立するものですが、
提供した時点で、まるで特許のように、「これは私だけしか知らない私の思いついた料理」という考え方は通用しないでしょう。
個人による個性やアイデアで、アレンジされたものは多々ありますが、
例えば、フランス料理においては、その昔、ウィーンのHotel Metropolの料理長 Richard Heringが編纂した
古今東西の料理を集めたLexikon der Kucheというレクシコン(辞典)があり、約16,000種の料理が収められています。
またこちらはフランス料理に携わった人であれば、御馴染みのもの。
Le rpèrtoire de la cuisine フランス料理総覧(レペルトワール)。
基本的な調理用語に加えて、約7,000種あまりの料理が収録されています。
日本料理や中国料理においても、少し位置づけは異なりますが、
ある意味での軸となる書籍があります。
典座教訓や隨園食単もそれらの一つです。
今と違って、華やかな写真や細やかさはありませんが、
基本となるものはほぼ網羅されています。
あらゆるものにおいて、基本はとても大切です。
情報も商品も溢れかえる現代、それでも時代を超えて継がれているものも多々あります。
実際、表面的な変化や部分的な進化はあるものの、根本的なところは変わっていないものが
音楽や服飾、製造業など、業界問わず多く見られます。
料理も同様です。
調理器具や技術の進化と共に、見た目は30年前の料理とはだいぶん変わってきました。
ですが、基本調理法における、生・炒・焼・揚・蒸・茹という根幹的なものは変わりようがありませんし、
フランス料理における、素材の分解とその再構築、といった概念も変わってはいません。
そういった意味では、古典(classic)と言われるものは、
ある意味の基本であり、とても大切なものなのです。
ともすれば、華やかな見た目に心や目を奪われることはあるでしょう。
ですが、それらを支えている技術や知識は、確固たる基礎に支えられているものであり、
その基礎がないものは、よほどの天才でもない限り、同じ見た目であっても基礎に支えられているものとは、
味わいに雲泥の差が生じます。
多少の時間もかかりますし、地道な努力も問われます。
ですが、基礎をしっかり押さえたものは料理に限らず、音楽や服飾、スポーツの世界でも、
あらゆる世界で、飛躍する未来に繋がるのです。
実際、人という生き物は、
時代を知識や経験というもので紡ぎながら、常に新しい文化を確立してきているのです。
It is only with the heart that one can see rightly,
what is essential is invisible to the eye・・・
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