改革の論点 ~求められる人材 目指すべき人材~ | 株式会社然|食の専門コンサルティング改革の論点 ~求められる人材 目指すべき人材~
改革の論点 ~求められる人材 目指すべき人材~ 2020.06.01

コロナ禍において、働き方も含め企業の在り方も大きな変化、リモートワークも含め、
既存のシステムの問題が露呈した現在、よりスピードを伴った改革が求められています。



その中で、いかにITが進化発達したとしても、その中心になるのはやはり「人」です。
いずれの状況下においても、ゼネラリストとスペシャリスト、常々論じられるものの一つですが、
既に社会人の方々、これから社会にでる学生の方々にとっては、自分の適性を見極め、
将来をどう考えるのかという点で、今後はより思考と理解が求められるものかと思います。

ゼネラリストもスペシャリストもどちらも企業にとってはかけがえのない優秀な人材ながら、
その仕事内容はガラリと異なります。また、出世や転職で有利不利があるのも事実です。

では、ゼネラリストもスペシャリストのどちらを目指すべきなのか?
そして、出世や転職、将来を見据えた場合、有利なのはどちらなのか?

経団連では、2020年1月に、経営労働政策特別委員会報告を発表しましたが、
これは今までの日本の企業における採用や雇用、賃金のシステムを大きく見直す内容に言及していて、
経済界では大きく注目されました。

ただ、この見直しには企業側はもちろんですが、雇用される側、
つまり既に社会人の方々やこれがら社会に出る学生にとっても、現状をしっかり理解する必要があります。



キーポイントは、特定の企業だけで生きるスキル、「企業特殊的技能」と呼ばれる概念です。

多くの日本企業では日々のオペレーションにおいて、それぞれ工夫し改善していく権限が、現場に委譲されています。
結果、それぞれの現場に知識・知見が分散するので、それらを擦り合わせることが全体の生産性向上に欠かせず、
入社時を含め、ジョブローテーションなどを通じて、少なからず様々な現場を経験したゼネラリストが必要になってくるのです。

ただこのように『蓄積』されるスキルは特定の仕事の技能とは異なる為、
蓄積しても労働者の市場価値が、企業外の社会において明確に上がるわけではありません。
市場性において低く見られがちなスキルを労働者に蓄積してもらおうとすれば、企業はそれらを評価し報いる仕組みを作る必要があるというわけです。

今までは、こういった事に対して、企業は長期雇用を保証したり、職能給や年功賃金などを導入してきました。
諸外国に比べ、平均勤続年数が長いことや、勤続に伴う賃金上昇、年収に占めるボーナス比率が高いことなどが実証的な根拠でもあり、大企業ではより顕著にみられます。



さてコロナ禍において、経済のグローバル化を含め、情報通信技術の遅れが、
日本は特に顕著になりました。
大幅な改善が求められる中、世界での経済環境変化のスピードに追い付くためにも、
企業はより迅速に判断を下し、その判断に基づいたオペレーションを組み替える必要性が増してきます。

そのような状況下において、企業側にとっても労働者側にとっても、人生の半分以上を占める仕事において、
中長期的な個々のポジションを考えることが必要になり、適正や希望として、ゼネラリストを目指すのかスペシャリストを目指すのかは必ず求められてきます。単なるワーカーでは、付加価値は低くなってしまうからです。

例えば、指揮者などはゼネラリストの典型的な例です。
ヴァイオリン、ピアノ、管楽器、演打楽器など、各分野の技術を総動員させて一つの作品を作り上げるには、
あらゆる分野における豊富な知識がなければなりません。

ビジネスシーンでいうならば、プロデューサーやマネージャー、経営層、総務などがゼネラリストです。
いわば、管理が主な仕事です。まとめあげる分野の全てにおいて長い経験を持っている必要はありませんが、
より広範囲における深い知識を取得するために、各部署への異動や転勤を頻繁に行う例が多いでしょう。



一方、スペシャリストとは、ある特定の分野において突出した知識や技術、経験を持つ人材を指します。
ゼネラリストよりも、スペシャリストのほうが言葉として一般的なので、その仕事内容を容易に思い描くことができるのではないでしょうか。エンジニア、会計、営業、デザイナーなど、スペシャリストの仕事分野はさまざまです。

例えば、営業成績がダントツでトップな人材がいれば「いずれあの人がヒラをいち早く抜け出して、課長になるのかな」など、営業のスペシャリストであれば、その分野での出世がしやすくなります。

ただ、スペシャリストとして優秀なことと、人事管理に優れていることは必ずしもリンクしません。
スペシャリストの中には、個人作業は得意でもチームをまとめることは苦手という人が少なくないため、出世しても課長どまりというケースも多いのが特徴です。
野球などにおいて、名プレイヤーが必ずしも名監督ではないとの同じです。

その反面、例えば専門性にも優れかつ人事管理にも長けているスペシャリストは一目置かれ、
チームのリーダーとして大きな仕事を任される可能性があります。
技術や知識のレベルが申し分なく、人事管理もできる会社にとっては重宝したい人材です。

例えば現在がまさにそうですが、病院における看護師長は、マネジメント能力に長けたスペシャリストといえるでしょう。
人をまとめあげる能力のある人がスペシャリストとして出世する可能性が非常に高いのです。

ゼネラリストは広範で豊富な知識に基づき、現場を監督したりマネジメントを行ったりするのが主な役割です。
よって、上層部までの出世が見込めるといえます。

「将来は経営層に食い込みたい」と考えているなら、ゼネラリストとして総合職や人事担当として採用されるのが近道といわれているのは、そのためです。経営層には、総合的な知識や経験が必要になりますから。

ただ、優秀なゼネラリストになる道は険しいものです。
とくに大企業にはたくさんの専門分野があり、あらゆる分野の基礎知識を頭に入れるのは容易なことではありません。

また、肝心のマネジメント技術に長けていなければ、どんなに広範囲にわたる知識を持っていたとしても、ゼネラリストとしては立ち行かなくなってしまいます。ただ広範囲の知識を持っているだけでは、上層部まで出世するのは難しいでしょう。

たとえ将来のゼネラリストとして採用されたとしても、マネジメント能力がなかなか開花しない社員は、企業側から扱いづらい人材としてレッテルを貼られてしまいます。要職にもつけず、何かのスペシャリストになれず、中途半端にくすぶることにならないよう気をつけなければなりません。

ゼネラリストになりたいと考えたら、多大な努力、勉強が必要なのです。

ところで、スペシャリストという言葉以外に、プロフェッショナルという言葉があります。
コンサルティングの世界において、スペシャリストとは「専門性そのものが存在意義」であると考えられています。
いかに高い専門性を持っているかが重要です。

   

一方、プロフェッショナルは「専門性を使って成果を出す人」という認識です。
専門性は手段に過ぎず、成果を出すことこそが目的だと言えるでしょう。
ビジネスにおけるプロフェッショナルとは、「変革や創造の担い手」として専門性を使える人のことだとも言えるかと思います。

つまり自分の専門性に誇りを持ち、会社の利益と同様に顧客の利益のことも考えながら
倫理観を持って働けるのがプロフェッショナルという存在です。
既存のサラリーマンという概念と対局にあり、今後の社会においてどちらが望まれる存在であるかは明白ですね。

いずれにしても、あらゆる点において、
「判断」 「決断」 「行動」というものがよりスピードを伴って求められるようになります。

幅広い視野と適切な情報収集、その上で自分のポジションを明確に見据えることは、
社会に生きていくうえでは不可欠になってきます。

夢や希望は大切です。
と同時に、自分自身の適性を見つめ直し、自身の最適化が必要です。

人口の減少に伴い、移民問題も含め、大きな変革をせざるを得ない日本では、
真の意味でのグローバル社会において、このままでは企業も労働者も通用しなくなってしまいます。




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