リアルコミュニケーションロス 意識への取り組み | 株式会社然|食の専門コンサルティング
リアルコミュニケーションロス 意識への取り組み 2021.05.01

3度目の緊急事態宣言が発令されましたが、在宅ワークに切り替えられた企業も増えたようです。
弊社では、通勤リスクを考慮し昨年の4月から全てのスタッフを在宅勤務としています。
オンラインのシステム構築や、携帯電話、PCその他備品の配布など、かなりの経費を伴うことになりましたが、
「感染予防」という点では、一定の効果を果たしているかと思います。

業種業態によっては、担当内容で在宅勤務が難しいケースもあるかと思います。
実際に在宅勤務を行った職場では、弊社もそうですが「感染予防」以外に、「周りに人がいないことで集中できるようになった
通勤のストレスが減った」という変化もあるかと思います。

      

ただストレスが全てなくなるわけではありません。
短期間の変化は必ずそれがどこかに跳ね返っています。「変化」には必ず「作用と反作用」が存在するからです。


新型コロナウィルスへの対策として一気に広まりましたが、テレワーク自体は「勤務形態」の一つでしかありません。
そして万人に当てはまる働き方というのも有りえません。

一方で、通信インフラのデバイスの進化はその問題を「テレビ会議・テレカンファレンス」によって解決ました。
それらのツールはかなり前からあったものの、多くの人にとっては一部のグローバル企業の国を跨いだ、
会議などでみる「大手IT企業ならでは光景」だったはずです。

「テレビ会議・テレカンファレンス」が一般的になり、多く人から

   ・テレビ会議は思っていたより普通にできる
   ・移動時間が減って便利
   ・余計な雑談が減って要件だけの会議になり効率があがった

という声が聞こえるようになりました。

しかしここにきて、大きな問題なのは、「リアルなコミュニケーションがなくなった」ことです。

この「リアルなコミュニケーション」がなくなったことによって大きな弊害が出ます。
そして厄介な事に、この変化はすぐには出てこずに、時間がかかって顕在化します。

この「時間がかかって顕在化する」ということが、一番の問題点なのです。

そしてこれは「弊害なのか?」といわれると難しいのですが、テレワークによって社内での雑談が減っていきます。
理由は単純です。自宅なので「息抜き」ができてるからです。



これまでオフィスにいた時は「仕事の区切りで休憩室などにいき、そこで誰かと喋る」といったことがありました。
また社内やチームでの打ち合わせといった事も、ある意味で息抜きになることもあったはずです。

しかし自宅でテレワークをするようになり「仕事の息抜き」を社内でおこなう必要や必然が圧倒的に少なくなります。
その結果として、社内でのオンライン・オフラインともに「雑談」が減るのです。

「効率」といった点や「本人」の視点で考えれば、一定以上の効果も出ていますし、「息抜き」はできているので何も問題はありません。

しかし組織全体でみたときに、少し周囲を見渡すだけで、ちょっとした雑談をするだけで、様々なな事や人に対して、
どういった状態」「どういった事を考えている」「何かに困っている」といったことを無意識的にでも多く人が共有・把握していました。

社会活動は、本来、他者の存在を意識することで、様々なコミニケーションを行い、
無意識、意識的に良好な関係を維持・創造するために行うものです。子供達の学校も同じですね。



それらがなくなってしまった時、物事への意識が低下していき、
社内の人は単なる「作業をする人」になっていきます。

これが続くと、

  1. 周囲が困っていることに気が付けない
  2. 互いの状態が見えにくく分からなくなり、信用・信頼関係が希薄化する
  3. 「ヘルプ」を求めにくくなる

ということに繋がっていきます。

そして、無意識の意識低下が、仕事でのミスや見落としとして影響が出てくるのです。
8-stage cycle や OODA-Loopなど基礎的なビジネスツールなども機能が低下してしまいます。
売上などの数値に変化がなくても、詳細なデーターを見ていると必ず変化が生じています。

テレワークになり「その人の状態が見えづらい」環境になれば、いくら上司であってもその温度感に敏感に気がつくことが難しくなります。
エスパーでもないので「話しかけてもこないし、話しかけていくこともない」間柄で自分の精神状態を把握できるはずないのです。

実際こういったことは、弊社でも起こっている状態で、
「この問題を解決するにはどのようにすれば良いか?」ということを、スタッフ間でも話し合ってもらい、
様々な取り組みを始めたところです。



さて、しばらく前に「ワークライフバランス」という言葉はモテはやされました。

「仕事は仕事、プライベートはプライベートとしっかり分けるべきだ」ということで、それまでの「滅私奉公」ともいうべき終身雇用制が存在していた日本の働き方のアンチテーゼでした。

しかし、テレワークでは「仕事とプライベート」の境界線は極めて曖昧になってしまいます。

そういった働き方を反映してなのか、近年欧米では「ワークライフインテグレーション」という考え方にシフトしてきています。

私自身は、そもそも「人生というタイムライン」は一つしか無く、生きることの中で仕事というものがあるにすぎず、
仕事、プライベートという言葉の線引きはほぼありません。
やりたい事をしているので、細かい問題は多々あるものの趣味とさほど変わらないのです。

一方で「仕事のために生きているわけではない」という価値観はもちろん理解できます。

しかしその「仕事をしている時間」も自身の人生の時間です。
ワークライフインテグレーションとは、その「仕事の時間も充実させる」方が人生としては健全である、という考え方でしょう。


 

新型コロナウィルスの問題から「テレワーク」化のへの転換、さまざまな形で働き方が変化する中で、
私達は、その変化に適応させていきながら、常に問題意識を持つことが必要です。

新コロナウィルスは大きな問題ではありますが、これらへの対応を行いつつ、
一つのきっかけとして、未来への準備も怠らないようにする意識を持ちましょう。

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