飲食業界における運営談義など 考察・・・ | 株式会社然|食の専門コンサルティング
飲食業界における運営談義など 考察・・・ 2024.06.02

先日、あるシェフ達とコミニケーションを交わす機会がありました。
どなたもミシュランの星をはじめ、Gault&Millauにも選出されていらっしゃる
食の世界におけるトップランナーの方々。

たまたま私が、料理とサービスの世界、それらを支える農生産の世界、Wholeesaleの世界に携わってきたということでお声がけ頂きました。

非常に興味深かったことが、
当然の事ながらどなたも自身の料理や店舗(空間)には明確な意思とメッセージがありつつ、
同時に運営における経営視点の狭間で様々な悩みや葛藤を持っていらっしゃるという事。

三ツ星、二つ星の店舗として、業界の内外からも注目され、
客観的に拝見すると予約することがかなり困難な状態であるにも関わず、です。

かつてフランス料理が世界的に革新された、1,990年代、いわゆるヌーベルキュイジーヌが台頭した時代、
抜きんでた才能あふれる諸先輩方が、独立されてはフェイドアウトされた事が口惜しく、法律や税務を含めた経営を学ぶきっかけになったことを思い出しました。

さて、飲食業に限らず基本的な事になると思うのですが、
山は頂上に上らない限り、麓までの全容を知ることはどの分野においても出来ません。
この事を教えて下さったのは、人生における様々な示唆を下さったスキーの師。
まだ20代でしたが、スキーだけでなく物事の基本を学ばせて頂いた貴重な期間でした。

この考えは、飲食業においても同様です。
例えば料理という分野において、ある種一般的な高みを目指すのであれば、また理解したいのであれば
味覚の構成とその判断において、海外の三ツ星、二つ星の料理は徹底的に食べるべきだと思います。
(※客観的評価が全てではありませんし、価値観はそれぞれという前提)

味については、最終的に個人の嗜好になるものの、客観的評価において
その品質の見極めは欠かせません。

クラッシックにおいても現代フランス料理においても、
三ツ星は確実に品質という点において、皿の中に不必要なものが絶対にないと言えるはずです。

そして、味のエッジがきいていて洗練されている。

例をあげるならば、デンマークの「ゲラニウム」の料理は、
ポーションは小さくても、それぞれの味と香りが際立って素晴らしい。

そして、どれも素材の味を引き出していて、その技術が相当に高い。
当然の事ながら、温度や香りを含めた品質コントロールの高さも秀逸です。

厨房で食した感覚と、客席で食す感覚の差を考慮することも、料理人にとっては当然であり、
サービススタッフにとっても不可欠な要素でしょう。

三ツ星レベルであるならば、日によって素材の差などは当然認識しているでしょうし、
それらを厨房スタッフとサービススタッフ、店舗での共通意識を高めるためには、
オープン前に、一度料理を全て用意して味見をすることも必須だと思います。

これをスタンダードに日々行っているレストランは実際に存在し、当然、客席側として食した際、
完成度は素晴らしく高い。

 

全体をコントロールするシェフの役割は、任せた内容をチェックして、
異なる点は指摘し、その意味、内容を共有し、共通認識のボトムアップを上げることはとても大切です。
オーケストラでいうならば、指揮者として当然の事でしょう。

これらの対応ができるかどうかは、その大変さを知るものとして、
ある種、覚悟を決めるかどうかだと思います。

何よりも自分が表現したいことが明確で、しかもチームで行うのであれば、
皆が共通する認識を持てる為の取組は必要です。
そして、そのボトムアップをいかに上げていくか。

何故ならばお客様から対価を頂くわけで、クオリティの保証は当然の事ですから。

 

 

話を少し、異なる視点で見てみましょう。

一見、言葉遊びに思われるかもしれませんが、「芸能」と「芸術」は異なります。

タレントと俳優の違い、と言えば分かりやすいでしょうか。
タレントというのは、本来才能を意味する言葉ですが、日本では何かしら芸のできる人という位置づけです。

中には芝居もできる人もいて、テレビに出て何でもできる人もいます。
ですが、演技というのは芸ではなく、芸術といえるでしょう。

その個性(能力)をもって、新しい表現を創り上げる。
言い方は極端になってしまいますが、俳優というのは、なんでもできる人ではなく、それしかできない人。

ですから、実際わざわざタレントではなく俳優という言葉が存在し、役者という職業が成り立っています。
日本では、あらゆる分野で芸能と芸術が混同されているように感じます。

料理は、ある種において、行きつく所この芸能と芸術の両面があるのかと思います。
フランス料理では、クラッシックにおける知識と技術、その上で時代に合わせた個性という新しい創造性。

アート、デザイン、様々な言葉が引用されていますが、デザインはゲストありきでしょう。
顧客が何を望んでいるかが重要になります。

そして、一流、二流、三流の違いは、顕在意識と潜在意識。
顕在意識は言われたまま、見えるままの世界でしか考え、動いていません。
作業は出来るけれど、新しく何かを生み出す仕事ができない人・・・

一流の人は、分野に関わらず言葉にできない部分の読み取りを形にできています。

サービスはまさに、この潜在意識を具現化できるかどうかが、一流とその他の境目になるかと思います。

 

一方、アーティストと呼ばれる人達は自分の好きなものを創ります。
基本的に人に迎合しません。

 

食文化に携わるトップクラスの料理人は、これらの狭間にいるのではないでしょうか。

   

どの世界にも、あの人はすごい!と言われる天才肌の人はいますが、流行は変わります。
昔、一流とされた三ツ星でも今は古いと言われるかも知れません。

その上で、自分のアート性を出していけるかどうかは大切だと思います。
この点において、自分のエゴの料理を作るのはレストランとして成立はとても難しい。

ゲストのことも自分のことも分析は必要です。
経済活動でないのであれば、自分が好きな料理を作れば良いのでしょうけれど。

運良く?好きな事だけをして成功する例もありますが、それはいくつかの歯車が
運よく合わさった結果に過ぎないと思っています。
何故なら、これもどの世界でも言えることですが成功の要因は様々で、失敗の原因はある程度特定される、
といった事に尽きるでしょう。

結局、店舗を運営するというのは、対価が発生するものですから、
経済とバランスをとるために、多くの人に支持されるものがどこにあるのかを知る、理解する能力はとても大切です。

クラッシック料理にしても、家庭料理にしても、
時代という時間軸の流れの変化(流行)を知ることで、ビジネスにおいては、
次にこれが支持されるのでは?というのはある程度分かりやすいものがあります。

飲食業という、対価を頂く業界においても
基本は大切ですし、その上で柔軟性のある時間軸の把握は必要です。

対価を求めずアートの世界に身をおくのではない!というものであるならば、
対価を頂く対象への客観にともなう俯瞰は不可欠ですし、判断力、決断力、行動力という、
迅速な思考からの迅速な行動は 料理の世界に限らず必須かと思います。

ただし、健全なる思慮を伴って。   

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