取引対象が「機能」となる、無形の製品のこと。例えば、輸送、金融、ホテルなど。特定の場所で、特定の時間に提供され、いったん提供されると修正や返品ができない。品質を一定レベルに揃えにくいという特徴もあります。
サービスのマーケティングにおいては、形が見えないだけに、売り手に対する信頼性を向上させることが重要です。また、ひとたび顧客の信頼を勝ち取ってリピーターにしてしまえば、高い収益性を得る可能性が強まります。
取引対象が「機能」となる、無形の製品のこと。例えば、輸送、金融、ホテルなど。特定の場所で、特定の時間に提供され、いったん提供されると修正や返品ができない。品質を一定レベルに揃えにくいという特徴もあります。
サービスのマーケティングにおいては、形が見えないだけに、売り手に対する信頼性を向上させることが重要です。また、ひとたび顧客の信頼を勝ち取ってリピーターにしてしまえば、高い収益性を得る可能性が強まります。
同種カテゴリーのある他社ないし自社の製品やサービス群に於いて、基本機能は同じであっても、斬新なデザインやブランドイメージ、あるいは広告などによって、その製品・サービスなど、価値活動の一部が優れているということを強調し、他の競争業者と差別化を図り、競争優位性を発揮しようとする戦略です。
同種カテゴリーにある製品やサービスが市場を共有しているという前提に立つ経営戦略で、これにより新しい製品やサービスによりシェアを拡大しようというのが狙いです。これに対して、他社と類似の製品を売る戦略を同質化といい、市場が異質であると捉え、市場を細分化(セグメント化)して各セグメントに適した製品等を投入する戦略を市場細分化戦略といいます。
差別化戦略に於いては、戦略という方針に添って戦術的な様々な手段があり、目的に添って使い分けられる。差別化を行う上での手段には、以下のようなものが挙げられます。なお以下の例では競争内容は「製品」としているが、サービスの場合も概ね似通っています。
1.多機能化や高級化-競争製品と区別できるような副次的な機能や品質の特徴を創造する
2.付加価値・ネームバリュー – 製品の宣伝に有名人を起用、製品のシンボルを創るなど象徴的なイメージに訴えて強調する
3.ブランド化 – 製品の色やデザイン、ブランド、製品のパッケージを競争製品より魅力的なものにする
4.付加価値サービス – 製品の保障や無料配送するなどのサービスを競争製品より手厚く行う
これらの差別化戦略が失敗した(または差別化がなされていない)場合は、市場の需要と供給の関係に基づき製品の価格のみで売れる数が決まる価格競争となります。ただ価格競争では、利益幅を圧縮してでも多売に走らざるを得ない点で、企業の体力を削る傾向が強いです。
多機能化や高級化は、消費者にとって最も解り易い差別化戦略で、いくつかの要素の組み合わせから消費者が望む組み合わせが選択されるなどして、コモディティ化(商品がありふれてしまいどこの製品でも大差なくなっている状態)の進んだ家電製品(白物家電など)ではよく取られる戦略です。こういった差別化戦略では、やりすぎると元の製品としての機能を損なうケースまでありますが、停滞した市場の活性化策に繋がり、また新しい価値が創造される場合もあります。
ネームバリューなどは、著名人などを使ってイメージアップを図ることですがが、製品自体は変化しないため一過的です。しかし付加価値サービス的に著名人にちなんだ付録をつける場合などは、また別の意味で人気を集めます。多機能化や高級化などで予め行われた差別化戦略を消費者にアピールするためによく取られる戦術です。
ブランド化は高級化にも繋がる所がありますが、その一方で製品群として関連商品がある場合に、統一されたイメージを形成することで、セットで販売し易くするなどの活動が行われます。消費者は気に入ったらそのまま使い続けるため、あとはブランドグループの幅を適度に広げ、売れ筋商品グループに押し上げていきます。このほか、単品でブランドイメージを形成する場合もあれば、企業全体をブランドで包む場合もあります。
付加価値サービスでは、商品そのものに添付するおまけのほか、耐久消費財などでは保証期間を延長するなどの方法も見られます。
参入障壁とは、新規参入しようとする会社にとって参入する際の障壁(参入を妨げる要因)のこと。参入障壁が高い業界・業種は、その障壁の高さが利益の源泉となります。
具体的な参入阻止要因としては、(1)既存企業が備える優位性(規模の経済性、ブランド力、技術力、スイッチング・コストの高さなど) (2)法規制などが挙げられます。
一方、既存企業にとっては参入障壁の高さが、新規参入の脅威を測る指標となります。新規の参入があれば一般的に市場の競争度合いが増し、業界の収益性が低下するため、既存企業には意識的に参入障壁を築こうとするインセンティブが働くためです。
「競争の戦略」の著者であるマイケル・ポーター(Porter,M.E.)は、参入障壁の規模を測る具体的な指標として以下の8つを示しています。
・規模の経済性が働くか?
・製品の差別化が存在するか?
・巨額の投資が必要か?
・仕入れ先を変更するコストは大きいか?
・流通チャネルの確保は難しいか?
・規模の経済性以外のコスト面での不利な点が存在するか?
・政府の政策による参入の制限や規制が存在するか?
・参入に対し強い報復が予想されるか?
Learning Organization
効率化、品質向上、安全性向上などのために、数人で1つのグループを作り、そのグループ単位で改善活動をしていくことです。
TQC活動、TPM活動などにおいては、活動の底辺を支え、基本的な役割を果たしています。特に、TQC活動におけるQCサークルが有名であり、QC7つ道具等を活用し、分析・改善を行い、品質改善に大きく貢献しています。
小集団活動では、提案の活性化や自己啓発・相互啓発、職場の活性化を狙っています。ただし、運営方法はその目的や企業によって異なる。例えば、TQC活動ではテーマ選定やリーダーの選任は各グループの自主性に任されているのに対し、TPM活動ではテーマ、リーダーはトップダウンで決められています。
New Quality Control – 7Tools
New QC7つ道具とは、言語データを取り扱う次の7つの手法のことです。
(1)親和図法
(2)連関図法
(3)系統図法
(4)マトリクス図法
(5)アローダイアグラム法
(6)PDPC法
(7)マトリクスデータ解析法
日本にQCが導入された当初は、会社の製造部門が主体となって活動していました。その段階では、「QC7つ道具」がよく用いられ、問題の90%はQC7つ道具で解決するとまで言われていました。
やがて、QC活動の対象範囲が製造部門以外の開発・事務管理部門へ広がると、従来のQC手法は適用しにくいという問題が起きてきました。従来のQC手法は、主として数値で得られるデータ(数値データ)の処理を対象としていたが、営業や事務部門では、数値だけでなく、言葉で表現されたデータ(言語データ)がうまく整理でき、精度の高い情報として取り出せる手法が必要になっていました。
このような経緯により、新しくまとめられたQC手法を「New QC7つ道具」と呼ぶようになりました。
次の世代を担う経営者、関連会社役員、経営幹部の候補者のこと。
達成志向性、構想力、人間力、自社DNAが重要視されます。企業の重要な経営戦略として、計画的に選抜し、育成することが求められています。
Intelligence and Information Innovation Management(よみ:トリプルアイマネジメント)
組織の持つ情報( Intelligence and Information )を見直し、情報の価値を向上させることによって、組織の価値を高めるマネジメント手法のこと。
今や高度情報化社会となり、情報システム無しには社会や組織の活動は立ち行かないです。ところが、情報システムで取り扱われる情報そのものは担当者の判断に委ねるところが多く、その力量(認識力、分析力、評価能力、判断力など)によって、組織にとって価値のあるものになったり、無意味なものになったりと情報自体の価値は不確実性が大きいです。このように情報ははかなく、頼りないものです。その不確実性が大きい情報によって、組織は意思決定を行い、その意思が伝達され、活動する。そのため、情報の優劣によって、組織の業績は大きく左右されることになります。
情報マネジメントは、組織で扱う情報とそれを取り扱うプロセスの全てを対象とし、情報の信頼性とパフォーマンス、さらに組織のインテリジェンスを向上させることによって、組織の価値を高め、組織の業績を改善する活動です。
Human Resource Vision
経営ビジョン実現のために、どのような人材がどれくらい必要かを示した、中長期の人的資源についての構造革新プランをいいます。
人材ビジョンの立案は、人的資源をコントロールする単位として、SHU(戦略的人材ユニット:Strategic Human Unit)を定義するところからスタートします。
SHUは、経営ビジョンの違いに合わせて企業ごとに個性豊かに設定される必要があるが、一般的にはビジネスリーダー、スペシャリスト、マネジャーといった人材タイプ別に設定されることが多いです。
経営ビジョンを実現するために、どのような人材(どのような仕事をするかで定義)が必要かをSHU別に描き、それに基づいて人員数計画、人件費計画、人材の組織配置イメージ、SHU別のキャリアパスを含めた育成計画を明確にしていくことが、人材ビジョンを明確にしていくことです。
明確になった人材ビジョンを実現していくために、どのような人事施策をどのように組み合わせて実施していくかの中長期の計画が人事戦略で、この人事戦略に合わせて様々な人事革新を実行していくことになります。
Human Resource Innovation
企業の経営資源の一つである人的資源のあり方を革新する様々な取組みを総合的に指していう用語のこと。
人事革新は、次の5つの人事機能に関わって、そのあり方を変化させることを目指します。
第1は「採用機能」、第2は「育成・教育機能」、第3は「配置・編成機能」、第4は「働かせ機能」、第5は「退職機能」です。
つまり、1.必要な人材を採用し、2.必要な教育を施し、3.職務を与え、4.高いモラル(morale=職務遂行上における意欲のこと/勤労意欲)で働かせ、5.必要でない人材を企業から排除する、ということを通じて、企業が必要とする人的資源を必要なレベルで確保しつづける人事施策を講じることを、人事革新というのです。
施策分野は、給与、賞与、退職金、評価、教育・育成、福利厚生、労政、就業管理、採用施策など、広範囲に関わります。
最近、成果主義人事革新という言葉を聞くことが多いが、これは成果主義というコンセプトで様々な人事革新施策の性格を決定していこうという企業の考え方を指しています。
こうした人事革新コンセプトは、歴史的にみると、「年功主義→職能主義(能力主義)→成果主義」というように変化してきたのです。
Pay for performance(類似概念として)/Result-based Human Resource Management
バブル崩壊後、右肩上がりに業績が上がらないという状況に直面したにもかかわらず、そこそこに業務を進めていれば処遇だけは上がりつづけるスタイルになっていたものを、改革しようとしたコンセプトのこと。
各人の処遇は、各人が上げる成果の内容で決定するということを強調し、従来の年功的な制約を排除し、若くても思い切った処遇ができる可能性を開き、活力を向上させようとしました。職能給をベースとした成果主義と、職務給をベースとした成果主義があります。
具体的制度の内容によっては、反って組織集団としての協力体制が得られなくなる、組織が不活性化するといった弊害が発生したり、また管理間接部門では成果を図りにくいといった問題指摘もあり、これらの点がマスコミ上を成果主義弊害論として賑わせています。
成果主義が十分に機能するためには、どういう成果(業績、課題結果、行動実践等)を上げるかの目標設定と、上げた成果の評価に関して、どこまで当事者と評価者の合意を得られるかがポイントとなります。このために多くの企業が、目標管理制度制度等を導入し、成果の納得性を高めようとしています。
Production Control
生産(日程)計画にしたがって、製造工程が運営されているかを監視し、遅れが発生しそうな場合には、速やかに対策を講じるといった生産計画を達成するための進度管理全般を生産統制と呼びます。
一般的に、生産計画では最終製品の納期(日程)を基に前工程の納期(日程)が設定されます。この日程計画に基づいて、設計/出図、原材料調達、購入外注品調達、製造(加工・組立)、出荷(包装、輸配送等)が手配されます。日程計画通りに進行しているかどうか、計画と実績(期間と量)を対比させ、差異がある場合には、適切な対策を速やかに講じて、日程計画からの遅れを生じさせない強力な「統制」が必要となります。
生産統制は、一品受注方式・機能別分業生産方式になるほど強く要求され、大量生産・ライン編成生産になるほど軽減されます。
生産統制の具体的実施のためには、より速い実績収集の仕組みの構築と、遅れが生じそうな場合の対策実施のための多能工化された人材の確保が必要です。
この場合の「対策」とは、残業・休日出勤指示、他職場への応援依頼などの能力増加策だけでなく、設備不具合の早期復旧指示、不良発生原因の迅速な除去作業の指示なども含まれます。
しかし、度々遅れを引きおこす主要因に対しては、中期的な施策(品質管理強化、設備保全強化、技能スキル向上活動など)を並行して実施し、遅れの主要因に対する本質的な歯止めがなされなければ、生産統制のみでの生産計画の達成は困難であると認識する必要があります。
Production Formation
生産編成とは、広義には、製品を顧客へ供給する物流拠点、内外製区分による製造拠点・仕入先企業、原材料の調達先の設定するマクロレベルの「編成」であり、狭義には、使用設備、作業ライン、作業人員配置、作業場所レイアウト設定などミクロレベルの「編成」です。
マクロレベルの編成は「ロジスティクス」「SCM(サプライチェーンマネジメント)」等と称され、この「編成」の設定によって、事業の成否の大半が決まると言っても過言ではありません。このマクロレベルの編成の全体パフォーマンス向上のためには、各拠点単体のパフォーマンス向上だけでなく、受発注処理、設計・仕様決定、計画・手配業務、決済業務などの情報処理・伝達の速度と正確性の向上が不可欠です。
ミクロレベルの編成は、「工程編成」と称され、製造工程のパフォーマンスに大きく影響を及ぼすため、製品の生産準備段階において、十分な検討・検証が必要です。
工程編成には、大別すると機能別分業編成と製品別ライン編成の2種類があり、前者は品種の多様化に対応する汎用性に優れ、後者は生産性、製造期間において利点があります。事業・製品の特性から、上記2種類の編成をどう組み合わせていくのかが、製造工程の最適化のための課題です。
Organizational Productivity
「生産性」は、生産・製造部門では古くから管理指標のガイドとして普及してきていました。その場合の生産性は「物的生産性」といわれている概念です。また、財務分析の分野では労働生産性(=付加価値額/従業員数)が一般的にもちいられます。
一方で、ホワイトカラーの組織における「組織生産性」を測定・管理する体系的な方法が求められていました。
組織の中で遂行されている全ての業務を体系化し、業務をST(Standard Time:標準時間)型とTT(Target Time:目標)型に区分し、組織の再設計を提唱した。生産性の尺度が相違する業務は区分して組織化するのが原則という考えです。
ST型業務を担う組織では、伝票枚数、処理件数などオペレーションの生産性を、物的生産性の指標と同じように単位工数あたりの枚数・件数で測定・管理します。一方、アウトプットとなる成果が測定しにくい知的活動を担うTT型組織については、アウトプットである成果について、組織的な価値判断を行い金額換算することを奨めています。
そして、知の生産性を測定する手法として「時間生産性」の概念を適用します。例えば、1人当たりの年間労働時間をどのような成果を生み出すために投入したのか、そしてその成果はいくらの金額的価値とみなすのか、という見方で時間生産性を測定する方法をとります。
生産性を日常的に測定するには、組織単位をその成果が明確にできるレベルに分離・集約し、その職務範囲を設計することが必要なのです。
Customer Relationship Management
顧客や市場からのさまざまな情報を取り込み、取り込んだ情報を多様な目的で分析・利用できるようデータベース化して、企業の経営戦略に活用する手法の総称です。
インターネット時代となり、顧客も、各種の情報に接することができ、一方的に商品を供給するだけでは、顧客はすぐに離れていってしまう。そのため、顧客と密接な関係を維持し顧客ニーズを迅速に把握するためにもCRMが注目されています。
企業が顧客と接するチャネルは、従来の対面、電話などから、インターネット・Eメールと多様化しました。このようなチャネルから顧客情報を収集し、その情報を全社的に共有し、マーケティング、製造、セールス、サポートなどの各部門が参照、加工、分析し、知識として蓄積する仕組みが必要となる。これを実現する手法がCRMです。
CRMのアプローチは、利益に貢献しない顧客を見極め、そこにかけるコストを最低限に抑え、収益貢献度の高い顧客、あるいは今後収益アップが見込める顧客へのサービスに充て、更に収益を上げていくことが重要となります。
Cause and Effect Matrix/因果関係マトリクス
C&Eマトリクス(Cause and Effect Matrix)はシックスシグマで使用するツールで、因果関係マトリクスともいう。
このツールの目的は、アウトプット指標(顧客要求など)に最も影響を及ぼす重要なインプット指標を特定することです。
このツールは、アウトプット指標とインプット指標の相関を示すデータがない場合に使用し、経験と知識を基に重要なインプット指標を論理的に特定するという特徴があriます。
CEマーキングは、EU諸国に輸出される製品に、CEマークを表示(貼付)することをいいます。このCEマークは、EUの各EC指令に該当する製品が、関連するすべてのEC指令の要求事項(主として安全性)に適合していることを示すマークで、製造業者に表示することが課せられています。
製造業者による適合宣言がされ、CEマークの表示された製品は、以下を意味します。
・適用されるすべての要求事項に準拠していること
・適切な適合性評価手続きを完了していること
EC指令は、電気製品・電気機器類の低電圧指令、医療機器類の医療機器指令、建設用機械・食品用加工機械・工作機械類の機械指令など、約20種類あります。
(注)“CE”は、フランス語のConfotmité Européeneに由来し、英語ではEuropean Conformityとなります。
Concurrent Engineering(コンカレント・エンジニアリング)
製品開発の生産性を向上するには、ツール類、基礎データの整備のみならず、各部門の英知をタイミングよく結集するためのシステムが必要です。
コンカレント・エンジニアリングは、1982年にDARPA(Defense Advanced Research Projects Agency)が設計プロセスの並列性を向上する方法を研究したのが始まりです。
1986年のIDA Report R-338では、次のように定義しています。
「コンカレント・エンジニアリングとは、製品およびそれに関わる製造やサポートを含んだ工程に対し、統合されたコンカレントな設計を行おうとするシステマチックなアプローチである。このアプローチは、品質・コスト・スケジュール・ユーザの要求を含む概念から廃棄までのプロダクト・ライフサイクルの全ての要素を、研究者に最初から考慮させるよう意図されたものである。」
コンカレント・エンジニアリングを日本語で表わせば「同時進行技術活動」です。
開発の初期段階から設計・試験・購買・生産技術・外注業者・製造・品質保証などの各部門が参加してベクトルを合わせるべくコミュニケーションを図り、ドゥ・イット・ライト・ファーストタイムで設計し、極力設計変更をしなくても済むようにするのです。
コンカレント・エンジニアリングの期待成果は、開発期間短縮、開発資源の有効活用、コストダウンなどです。
Cash Flow
キャッシュ・フローとは、資金収支(資金の収入、支出)のことを言います。
企業会計では、「収益-費用=利益」を計算し財務諸表の損益計算書にまとめ、公認会計士の監査を受けて株主に公表してきました。収益は、売上と受取利息などの営業外収益を足したもので、ほとんどは売上である。費用は、売上を上げるための売上原価、販売費・一般管理費、借入れ利息や手形割引などの営業外費用に大別されます。簡単に言ってしまえば、売上から諸々の費用を引いて利益は計算されます。
売上がすべて現金で決済され、費用も現金でその都度支払うなら、利益計算と資金収支計算は一致するが、売上も費用も現金の受け・払いが後になる掛けや手形で取引されるために、計算上利益が出たと言っても現金があるとは限らないのです。
Cash Flow Management(キャッシュ・フロー・マネジメント)
キャッシュ・フロー・マネージメントとは、キャッシュ・フロー(=資金収支つまり資金の収入、支出)の資金繰り(資金の収入と支出の時期と資金量)の管理を言います。そして、資金繰りを楽にする方法を検討することです。
資金が一般に何に一番多く投入されているかと言えば、原材料・仕掛・製品の棚卸資産と、売掛金・受取手形などの売上債権です。その次が、生産設備や土地などの固定資産です。これらの効率化と削減が、最も資金繰りの改善に効果があります。
つまり、キャッシュ・フロー・マネージメントとは、資金繰りの手練手管を駆使して資金をショートさせないことだけでなく、必要な資金量を減らす生産・販売の改善であり、そのことこそが重点です。
Cost Of Poor Quality
COPQとは、Cost Of Poor Quality の略であり、低品質や品質不良、欠陥、エラーのために生じる無駄なコストのことのことです。
これには、製品の再生産や製品検査にかかる顕在的コストから、計画変更やサイクルタイムが延びることで起こる売上機会損失やブランド価値低下など、潜在的なものまでも含めます。
経営品質の改革手法であるシックスシグマでは、このCOPQに着目し、品質をよくすることで経営インパクトのある収益改善を狙います。
Critical To Quality
CTQとは、経営成果に重大な影響を与える要因(Critical To Quality) のことです。顧客や市場の声を収集し、分析した結果として導かれる重要要因を意味します。 Qualityとあるが、特に品質に限定せず使用することが多いです。
このCTQの中でも経営に最も大きなインパクトを与える数個の要因を、「バイタルフュー(vital few)」と呼びます。このバイタルフュー要因に対して重点的な革新を行うために、シックスシグマ・テーマを設定し、推進していくことになります。
Career Development(キャリア・ディベロップメント)
企業ニーズに合致した能力を持つ人材の育成と、社員のキャリアプランの実現を目指して行われる長期的、計画的な職務開発および能力開発をいいます。
キャリア開発は、多くの場合、教育・研修制度とジョブローテーションなどの異動・配置制度を組み合わせたCDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)と呼ばれる諸施策によって実施されます。
CDPは、以下のようなプロセスで行われます。
(1)自己申告制度や上司との面接などを通じて社員の希望や適性を把握する
(2)人員計画や「あるべき人材像」などからくる企業ニーズと照らし合わせる
(3)個別に適切な職務経験や研修内容を明らかにする
(4)必要な異動や研修を実施する
計画的なキャリア開発を行うことで、社員に適切なタイミングで職務経験を与えたり、適性や希望に沿った登用によって社員のモラールアップを図ることが期待されている。
※モラール(morale=職務遂行上における意欲のこと/勤労意欲)
最近では、従来企業ニーズに傾きがちであったキャリア開発の運用を見直し、社員にキャリアを自分で考えさせて選ばせる社内公募制度や、個別研修制度を導入し、あるいは複線型人事制度など社内外に多彩なキャリアパスを用意する企業が増えている。
Career Development Program/キャリア開発プログラム(キャリア・ディベロップメント・プログラム)
企業ニーズに合致した能力を持つ人材の育成と、社員のキャリアプランの実現を目指して行われる長期的、計画的な職務開発および能力開発をいいます。
キャリア開発は、多くの場合、教育・研修制度とジョブローテーションなどの異動・配置制度を組み合わせたCDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)と呼ばれる諸施策によって実施されます。
CDPは、以下のようなプロセスで行われます。
(1)自己申告制度や上司との面接などを通じて社員の希望や適性を把握する
(2)人員計画や「あるべき人材像」などからくる企業ニーズと照らし合わせる
(3)個別に適切な職務経験や研修内容を明らかにする
(4)必要な異動や研修を実施する
計画的なキャリア開発を行うことで、社員に適切なタイミングで職務経験を与えたり、適性や希望に沿った登用によって社員のモラールアップを図ることが期待されています。
※モラール(morale=職務遂行上における意欲のこと/勤労意欲)
最近では、従来企業ニーズに傾きがちであったキャリア開発の運用を見直し、社員にキャリアを自分で考えさせて選ばせる社内公募制度や、個別研修制度を導入し、あるいは複線型人事制度など社内外に多彩なキャリアパスを用意する企業が増えています。
Customer Satisfaction Management
CS経営は「お客さま満足を組織的、計画的に、創りつづける経営」と定義されます。
顧客やエンドユーザーの利益、便宜、好感を充足することこそが、結果としてその企業の経営に貢献するとの理念に基づく考え方で、1991年に日本能率協会グループが提唱しました。
経営革新手法としてのCS経営は、次の3つが柱になっています。
(1)お客さまを深く理解する
お客さま満足度調査やユーザーインタビューを定期的に行い、満足度を測定して商品および業務プロセス革新の方向を探ります。また、コールセンターや接客現場で、お客さまの生の声をキャッチし、データベース化して、ニーズを読み取る仕組みを整備します。
(2)プロセスを革新する
満足度の基盤構造としての事業プロセスや業務プロセス、お客さま行動を分析し、プロセス自体の再構築を行います。
>(3)感度向上を図るお客さまの声やサービスに対する、社員個々の感度を高める研修・トレーニングを実施する
Sigma Level
シグマ値とは、シックスシグマにおける標準的なプロセスの評価指標です。
このシグマ値は、 DPMO(100万機会当たりの欠陥数)やCpk(工程能力指数)と対応しており、(シグマ値=6)=(DPMO=3.4)=(Cpk=1.5)の関係があります。
DPMOや工程能力指数は、ケースに応じて使い分けをするが、シックスシグマでは、現在のプロセスの状況を全員で共有認識するために、シグマ値に変換し、シグマ値6を目標として、プロセスの改善を行います。
Global Food Safety Initiative
国際食品安全イニシアチブのこと。
世界で唯一の独立した食品ネットワークであるCIES フード・ビジネス・フォーラムが運営する非営利団体です。
2000年5月にベルギーで設立されました。日本会員はイオン、イズミヤ、味の素、キリン、花王など66社です。国際的な食品安全の確保に関わる費用効率を向上させるため、GFSI が承認した認証規格を世界中の小売業者に普及することを目指し、これまでにBRC、IFS、Dutch HACCP、SQF 2000 などをベンチマーク(認証制度)としており、PAS 220 が発行されたことで、今回新たにFSSC 22000(ISO 22000+PAS 220)をベンチマークに加えました。
Just In Time(よみ:ジット/ジャスト・イン・タイム)
顧客にとって「必要なものを、必要なだけ、必要なときに作る」生産方式をJIT生産方式と呼び、製造期間短縮・在庫削減の有効な手段です。
JIT生産方式は、トヨタ生産方式とほぼ同意語として認識されやすいが、「トヨタ生産方式の一部である」という理解が正しいです。
必要なものを、必要なだけ、必要なときに作るためには、製造に要する期間が、顧客の要求期間(注文から受領まで)より短いことが要件であるが、顧客の要求期間は限りなくゼロに近づいていくため、製造側は常に、製造所要期間の短縮に努めなければ、販売機会損失増加の危機にさらされます。
この継続的な製造期間短縮活動の実践が、製造期間中に発生するムダの徹底的な排除を促進します。すなわち、JIT生産方式とは、特定の生産・生産管理システムの形式ではなく、継続的・挑戦的な製造期間短縮活動を促進する改善手法と言えます。
顧客ニーズの多様化により、多品種少量が当たり前となった今日においては、多くの製造現場で、JIT生産方式の導入・実践され、その内容は、流れ生産・小ロット化・生産の平準化・運搬サイクル短縮などで構成されています。
製造期間中に発生するムダに関して、JIT生産方式では、作り過ぎのムダに着目することに特色があります。
『かんばん』は、この作り過ぎのムダの排除に効果的で、必要なもの・必要な量・必要なタイミングを指示する道具です。「かんばん」枚数を少なくすることは、さらなる製造期間短縮への挑戦を意味し、製造側に新たな問題提議を促し、製造は新たなムダの発見に努め、その解決に挑むことになります。この改善・改革サイクルの実践こそが、JIT生産方式の本質と言えます。
Skill Management
「完全生産」という国際水準の目標を掲げ、「動機づけ管理」「改善管理」「維持管理」「フィードバック」の4つのマネジメントプロセスをサイクル化し、信頼性向上のスキルを身に付ける総合マネジメント体系のこと。
管理技術としてのスキル管理は、日本能率協会の中井川正勝が、設備生産性不振の打破に取り組んだ結果を体系化したものです。
サイクル化すべき4つのマネジメントプロセスの意味付けは、以下のようになります。
1.動機づけ管理
非効率現象は、人間行動の欠陥から発生しています。人間の態度・行動の変容を促し、微欠陥一掃の困難な改善活動に挑戦する意欲を高めます。
2.改善管理(管理者の責任)
品質不良や設備故障は、夥しい数の微欠陥により発生しています。ルッサーの乗積則などで明らかなように、信頼性を得るには、今までの常識を捨てて微欠陥の一掃に徹します。
3.維持管理(作業者の責任)
正しい仕事のやり方は、「何故そうするのか」「そうしないと、どんな不具合が発生するのか」を教え、条件反射的な行動に至るほどに訓練し、スキルフルな作業者を育成します。
4.フィードバック
統計を基に成果を確認し、悪化したときは行動を反省し再挑戦するダイナミックな体系を整備します。
スキル管理の目標として掲げた「完全生産」は「人間の限界への挑戦である」とも言えます。
Third Party Logistics (サード・パーティ・ロジスティクス)
荷主が第3者であるロジスティクス業者に対し、(1)顧客サービスの向上、(2)物流関連コストの削減、(3)市場競争力の確保、などを目標として、契約に基づき物流業務を外部委託(アウトソーシング)することを指します。
3PLでは外部委託範囲が単に「作業のみ」でなく、受発注や管理業務などロジスティクスに関する広範囲な業務である点が、従来のアウトソーシングと大きく異なります。一般に、1997年の「物流施策大綱」では、「荷主に対して物流改革を提案し、包括して物流業務を受託する業務」と定義づけられています。
米国では、流通の構成員であるメーカー、卸売・小売業をファーストパーティ、物流業者をセカンドパーティと呼び、第三のグループをサードパーティとしており、3PLの語源となっています。
1996年夏以降、日本でも物流業者、商社などが3PL事業者として名乗りを挙げているが、実際、大手荷主のニーズに応えられる日本の3PL事業者の数はごく限られているという見方もあります。
3PL業者には、荷主の物流業務に関する改善提案能力と、荷主と顧客に対して、物に関連する情報をスピーディに正しく伝えるための情報武装化が求められます。
Sarbanes Oxley(よみ:ソックス法)
米国のサーベンス・オクスリー法(SOX法)に倣い、会計監査制度の充実と企業の内部統制強化を求める日本の法規制のこと。
金融庁では早ければ2008年3月期、遅くとも2009年3月期に本決算をむかえる上場企業、及びその連結子会社を対象に適用を目指していると伝えられています。
これにより企業の財務報告に対する説明責任は一層高まり、財務報告や内部統制に関わるビジネスプロセスの可視化が不可欠になるといわれています。
Total Quality Management
TQMは、米国でTQCから発展した活動であり、顧客が満足する品質を備えた品物やサービスを適時に適切な価格で提供できるように、企業の全組織を効果的・効率的に運営し、企業目的の達成に貢献する体系的活動です。
TQMではトップが総合的に経営の方針を立て、各部門に展開し、活動します。TQCが各部門の最適化を目指す(部分最適)のに対し、TQMは経営全体の最適化(全体最適)を目指しています。
活動内容としては、経営における品質優先の徹底、企画・開発から販売・サービスに至る全社的品質保証活動、経営者主導による全部門・全員参加のQC活動、方針展開とその管理などがあります。
Total Quality Control
TQCは、「製品の品質を管理するためには、製造部門だけに任せていては効果が限定されるので、営業・設計・技術・製造・資材・財務・人事など全部門にわたり、さらに経営者を始め管理職や担当者までの全員が、密接な連携のもとに品質管理を効果的に実施していく」活動です。TQCは、アメリカのファインゲンバウムが提唱した言葉です。
1970年代までは、デミングサークルやSQC(統計的品質管理)などの品質管理手法が、製造現場を中心に根付いていた。1980年代~90年頃日本が急激な成長を遂げ、世界的にみて豊かな国のひとつになるにつれて、品質のよりよい製品・サービスを提供することを目指すようになり、組織全体で活動すべくTQCが誕生した。日本企業の多くが「QC7つ道具」「小集団活動」などを活用し、最も盛んに推進していました。
TQCを推進するポイントとして、次の7つが挙げられます。
(1)教育や訓練を行う
(2)管理サークル(Plan→Do→Check→Action)を回す
(3)全社的推進組織を設置する
(4)QCサークルを導入し、全員参加のQC活動を進める
(5)方針管理を実施する
(6)トップが診断を行う
(7)品質保証システムを充実させる
最近は、品質管理だけに限定されず、幅が広がったため、TQM(Total Quality Management)と呼ばれていることが多いです。
Design of Experiments
実験計画法は、1920年代に英国のR.A.フィッシャーによって、創始された統計的実験手法です。
実験計画法とは、製品、サービス、プロセスのパフォーマンスを改善し、最適化したい場合に、どのような実験をするのが最も効果的であるかを計画し、また実験によって得られたデータをどのように解析して結果を予測していくかを効率的に求める統計的実験手法です。
Symbolic Manager
ハーバード大学教授のT.ディール氏とマッキンゼー社のA.ケネディ氏の共著「シンボリック・マネジャー」から生まれた言葉です。
全ての集団は、何らかの文化を創造する。当然に企業もその企業特有の文化を作り出します。
企業文化を形成するものには、以下のような因子があります。
1.企業環境、取引先との関係、事業特性
2.経営理念、組織価値観
3.英雄(組織価値の具現者)、経営者、社員の手本
4.儀礼、儀式
5.理念を社員に伝達する方法
6.組織構造と管理システム
このような諸因子の中で、シンボリック・マネジャーは、企業の英雄であり、経営理念の体現者であって、その言動すべてが理念そのものであるとみなされます。
そもそも企業文化とは、職務分掌や業務規定、就業規則などのように必ずしも明文化されたものではないが、企業の行動の価値観を支配し、従業員の行動指針となっています。企業文化は、社是、社訓、社長方針などではなく、誰を出世させ、誰をマネジャーにするかで決まります。
Stock Option
自社株購入権のことをいいます。
企業が、取締役や社員に対して自社株を(将来の一定期間で)あらかじめ決められた価格(=権利行使価格)で購入する権利を与える制度のことを言います。将来、市場株価が向上し権利行使価格を上回っていれば、権利付与者は自社株を購入し市場で売却することで売買利益を得ることが出来ます。
報酬額が企業の業績向上による株価の上昇に連動するので、取締役や社員の株価に対する意識を高め、業績向上への動機づけを図る報酬施策として活用できます。また、十分な待遇をすることが難しい株式公開前のベンチャー企業が優秀な人材を確保する手段としても普及しています。
一方で、株価は業績以外の要素も反映するため、権利付与後に株価が上昇せず期待した利益が得られそうにない場合には従業員の士気が下がる危険性があります。また、経営陣が株価を重視しすぎた結果、不正な会計処理や株価対策を行なうなど経営陣のモラル(moral=一般的な道徳観のこと)が下がるリスクもあります。
Six Sigma
6シグマは、結果のバラツキに影響を与える重要特性(CTQ)を特定し、改善するプロジェクト型改善活動をベースとした、経営革新手法です。
ここで、シグマ(σ)とは統計用語でバラツキ(標準偏差)をあらわす指標であり、統計的工程管理では3σが工程の異常を判断する目安とされています。これは、正規分布の±3σから外れる確率は、約0.3%という性質を利用しています。同様に6σレベルとは、±6σのことであり、正規分布の±6σから外れる確率は、10億分の2となります。
経営革新手法6シグマでは、短期的なシグマレベルに対して、長期的には、1.5σ分悪化することを経験則から定めており、短期的なシグマレベルの結果からこの長期的なシグマレベルを推定することもあります。(例えば、短期的な3σレベルが長期的に1.5σ分悪化した場合は、1.5シグマレベルとなり、正規分布の±1.5σから外れる確率は、約13.4%(片側では6.7%)と推定する場合があります。)
Succession Plan
次世代リーダー(次代の経営幹部)を育成するための戦略的人材育成計画のこと。