銀行は企業の健康診断所! | 株式会社然|食の専門コンサルティング
銀行は企業の健康診断所! 2017.04.17

経営をしていらっしゃる方々は、誰であっても
銀行との付き合いはあることでしょう。

ところで、少しおかしな表現かもしれませんが、
無借金経営を自慢される方がたまにいらっしゃるのですが、
ある点で見るならば、無借金経営より借金経営の経営者の方が優秀だといえます。

在庫や仕入れの存在しない士業は無借金は可能でしょうし、
官庁入札のある建設業は借入金を増やせないという業界の特性はありますが、
サービス業や製造業、飲食業などは、借入金がある程度なければ成長できないのです。

そもそも論ですが、借金は決して悪いことではありません。
それよりもむしろ、会社を倒産させてしまう事の方が、よほど罪悪でしょう。

銀行というのは、とても保守的で継続性を原則として
新規取引に関しては必要以上に慎重です。

考え方を少し変えて頂きたいのですが、
「借金は未来への積極的な投資」ととらえればどうでしょう?

実際、山一証券の倒産からはじまり、
リーマンショックの前後には多くの会社が黒字倒産しました。

黒字なのに!です。
そのほとんどが無借金経営でした。

少し前の話しになりますが、当時国内航空3位だったスカイマークは
民事再生法を申請しました。責任をとって辞任された西久保社長のモットーは「無借金経営」でした。

黒字倒産の場合、多くが売掛金の増加やこれらに伴う棚卸資産によって
資金繰りが悪化し、現金がショートしたことによります。

もし、こんな場合でも
銀行からの支援が得られていれば、未来は変わっていたかもしれません。

その為には、銀行とうまく付き合うことも
経営者の大切な仕事の一つなのです。

銀行側にしてみれば、どれだけ売上をあげているか!よりも
確実に返済してもらえる能力があるか!を重視します。

財務諸表で言うのであれば、売上高や経常利益よりも、
キャッシュフロー額や債務償還年数、営業利益や減価償却費を銀行は重視します。

よく銀行が「晴れたら傘をさし、雨が降ったら傘を取り上げる」といったことを言われますが、
銀行は当たり前の事をしているだけです。

逆を言えば、そもそも困った時にお金を借りよう!と考えること自体が
銀行には通用しないのです。

ですから、できれば1カ月に一度は経営者自らが
月次決算を持って銀行に訪問されることをオススメします。
そして売上や利益などの定量情報だけではなく、どのような事業計画にともなって
経営を進行させているか、という定性情報をしっかりと伝えることが大切です。

その上で、銀行がどのような評価をしているかを把握し、
会社の状態がよい時ほど、借りられるだけ借りておくのです。

それが、今、必要ではないお金でないとしても!

このように、医師のセカンドオピニオンのように、
顧問の税理士や公認会計士がいたとしても、銀行の評価をしっかりと把握しておくことが大事なのです。

銀行は、自社の審査機関と割り切り、
より正確な企業診断を把握しておくことが、未来への飛躍につながるのです。

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