鮎の季節がやってきました。
11月過ぎに川下で孵化した稚魚は海に下り、翌年の春に川を上り始めます。
澄んだ川の珪藻を食べるので、天然の鮎はスイカのような独特の香りがあります。
ゆえに「香魚」とも呼ばれていますね。
ところで、鮎は魚偏に占と書きますが、これには由来があります。
日本書紀には神巧皇后が松浦の玉嶋の里で、新羅攻めの戦勝を占ったという記述があります。
河の中の石の上に登りて、鉤を投げて祈ひて曰はく、
『朕、西、財の国を求めむと欲す。 若し事を成すこと有らば、河の魚鉤飲へ」とのたまふ。
因りて竿を挙げて、乃ち細鱗魚を獲つ。
このときに釣れた魚が鮎。 ここから魚偏に占の文字を当てるようになったと言われています。
若鮎は塩焼きが一番です。
それぞれのヒレが焼き落ちないように、そして立派に見えるように、
ヒレには化粧塩をして、さも渓流を登る姿のように登り串を打って焼き上げます。
塩漬けにした鮎に米と麹で漬け込んだ鮎鮓も古くから作られてきました。
鮎鮓といえば、吉野は弥助のつるべずし。 歌舞伎の「義経千本桜」にも登場します。
さて、魯山人の言葉の中にこういったものがあります。
『ただ我々がなし得ることは、かかる自然の力の存在を悟るということだけである』
鮎に関しては、各地でお国自慢があります。
木津川が良い、庄川や四万十川、球磨川、九頭竜川、長良川など、鮎の名産地は全国にありますが、
鮎の美味しさは、その「はらわた」にあります。
雨が続いたあとは川が濁って、鮎にとっては見通しが悪く、餌を食べにくくなるので身は痩せ、
肝心のはらわたが小さくなります。 当然、独特の風味は少なくなってしまいます。
また、川が濁ると鮎は珪藻以外に泥も多く飲み込んでしまうので、はらわたは臭くなってしまいます。
そういった意味では、富山県の庄川は、生活排水が流れ込まないだけでなく、
激しい雨が降ってもすぐに清流に戻る、「濁り水三日の川」であることから鮎の味が安定していて、料亭などでは重宝されています。
こういったことを知り、理解することで、鮎本来の美味しさを堪能できるのです。
簡単に見えても、それは物事の根幹に関わるものです。
どんな物事においても基礎が大切であり、思考を掘り下げ、
根っこの部分を理解しようとしない限り、発展や成長は望めません。
さて、6月から始まった鮎ですが10月まで楽しむことが出来ます。
それぞれの旬を堪能したいものです。
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