食や農業に関する業界が賑やかです。
飽食といわれて久しい日本ですが、政府は農業を新しい事業への中心に!と
ASIAを包括する基準として、ASIAGAPを日本主導で東南アジアを含む広域レベルで進めています。
農業は、戦後著しい発展を遂げた工業による高度成長期を、
あらたな形で創り上げる起爆剤になるかもしれません。
ところで、ある全国展開をしている野菜小売店のお客様を対象に行った面白いアンケートがあります。
おいしい = 〇〇〇
あなたは、上の等式の〇〇〇にどのような言葉を入れますか?
実は、農家の方々にも同じ質問をしたのですが、
その際に返ってきた答えは、「こだわり」 「品質」 「ブランド」などなど・・・・
これに対して、消費者側で圧倒的に多くの人があげた言葉は、「幸せ」 「幸福感」という言葉でした。
言葉を選ぶのではなく、自由に記入してもらったのに関わらず、です。
今回の議題は、「マーケティングの勘違い」としていますが、
基本的な概念としては、マーケティング=売れる仕組みです。
ですが、どのような業種業態においても「マーケティングとは何か」ということに関して
ベクトルを合わせないと、全く見当違いの方向へいってしまうことになるのです。
特に農業の場合、忘れられがちなのですが、
農業のマーケティングは、野菜が売れることではありません。
農と食をつなぐことで、幅広い顧客を生み出すことなのです。
この食をつなぐ、ということが欠落しがちなのですが、
特に農業に携わる人達はこれが顕著です。
例えば、食を例にとったマーケティングの発想の違いの一つとして
●農 家 :「ぜひ、食べてください」
●マーケティング:「ぜひ、食べたい」
発想の起点が180度違うのです。
さらに実例をあげてみましょう。
皆さんは、下記の〇〇〇にどのような言葉を入れますか?
●トマト + 〇〇〇 = 『 満足 』
トマト農家の方に、弊社の事務所で答えてもらったのですが、
「美味しさ」 「品質」 「皮の薄さ」 「糖度」・・・・といったものでした。
一方、普段野菜を購入している消費者の答えは次の通り。
「チーズ」 「パスタ」 「塩」・・・といったものでした。
消費者の立場になって、食べる人の立場になって、
こういった言葉は農業に限らず、あらゆる事業現場で叫ばれている言葉ですが、如何でしょう?
少なくとも、農業では消費者目線になっていない事があまりにも多く、
その事実が全く認識できていないのです。
生産者は、農作物と向き合うだけの生産志向だけでは駄目ですし、
生産者は、消費者に向き合うだけの販売思考だけでも駄目なのです。
あらゆる事業も同じ事ですが、
農業の場合は、生産者は消費者と同じ方向を見る。
これが農業におけるマーケティング思考です。
その上で、さらなる延長線上の価値提案ができれば、素晴らしい結果への可能性が高まります。
「何を作るのか?」ではなく、「消費者が、何故買うのか?」ということを発想してみてください。
その先に、農業におけるマーケティングの本質があるはずです。
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