「名プレイヤー、名監督にあらず」 組織における厄介な現実 2025.12.11

「名プレイヤー、名監督にあらず」、スポーツの世界では良く使われるフレーズですが、
ビジネスにおいても、よくあることです。

ただスポーツと異なり、会社組織においては厄介な現実が多々あります。

特に中小企業においては、その対象が会社オーナーであったり、ファウンダーであったり、
トップに経営の知見がなく、放置状態になっていたり・・・

健全な成長と運営を行う為にも、役割の認識は必要かと思います。
実際、飛び抜けた実績でもなく、平均より少し上まわっているに過ぎない営業が
勘違いをして昇給を望んだり(アンコンシャス・バイアス(Unconscious Bias)の一例)、
人事そのものが見る目がなく勘違いをして評価しなかったり、昇格させてしまったり、間違った適性による弊害は多々あります。

1. 役割の根本的な違い

プレイヤーの役割(営業担当)

  • 自分自身の売上目標を達成することが主な使命

  • お客様との商談、提案、フォローなど“現場”が主戦場

  • 個人スキルを磨き、成果を最大化することが中心

   ▶ キーワード:売る・動く・成果を出す「実行者」

 ● マネージメントの役割(管理職・リーダー)

  • チーム全体の成果を最大化することが使命

  • 部下の育成、戦略の立案、仕組みづくりが主戦場

  • 自分が動くより“部下に動いてもらうための環境を整える”ことが中心

キーワード:育てる・整える・導く「成果の創出者」


2. 業務内容の違い(営業を例に)

◆ プレイヤー(営業担当)

  1. 顧客リストの作成・営業訪問

  2. 商談の準備(資料・提案書)

  3. 商品説明・提案 ⇔ 総務(営業)事務との連携

  4. 契約締結 ⇔ 総務(営業)事務との連携

  5. アフターフォロー

  6. 担当エリアの数字管理  ⇔ 総務(営業)事務との連携

とにかく“売上をつくる”行動が中心


◆ マネージメント(管理職)

 

  1. チームの売上目標の設定

  2. 戦略(優先顧客・優先商品)の決定 ⇔ 総務(営業)事務・財務との連携

  3. 進捗管理(数字の分析と改善) ⇔ 総務(営業)事務・財務との連携

  4. 部下の商談サポート・同行

  5. 部下育成(教育・振り返り)

  6. 仕組み化(マニュアル整備・業務改善)⇔ 総務(営業)事務・財務との連携・管理

▶ 自分ではなく部下が成果を出すための“環境”と“仕組み”をつくる


3. 求められるスキルの違い

プレイヤー

  • 商品知識

  • 提案力・発想力・コミュニケーション力

  • クロージング力

  • 迅速な行動力

  • 個人での高い生産性

マネージメント

  • 目標設計力(KPI設定)

  • 育成スキル(教える・任せる・評価する)

  • 分析力(数字と現場の両面)

  • チームビルディング(部門管理の他、総務や財務との連携)
      ※小さな会社運営と同等の知見と管理判断能力が必要

  • 問題解決力

  • 部下を動かす指導力・コミュニケーション能力

プレイヤーは“個人力”、マネージャーは“組織力”が必要


4. プレイヤーとマネージャーの思考の違い

◆ プレイヤーの思考

  • 「どうすれば自分が売れるか?」

  • 「どうすれば目の前のお客様に刺さるか?」

  • 「目標を達成するにはどのようにすべきか?」

◆ マネージャーの思考

  • 「どうすれば全体の売上を伸ばせるか?」

  • 「部下はどこで躓いているか?」

  • 「仕組みを変えれば全体の成果はどう上がるか?」

  •  月次PL・CF・BSの管理・把握を行い、それに伴う行動が出来ているか?

▶    プレイヤー:点の思考(目の前)

  マネージャー:面の思考(全体・未来)


5. よくある勘違い

プレイヤーの成績が良い=良いマネージャーになれる

必ずしも正しくない

優秀なプレイヤーは「自分が動けば結果が出る」タイプの人が多く、

マネージャーは「人を動かして結果を出す」必要があるため、全く別の適性が必要。
また、売る事しか出来ず、総務や財務と連携できていないケースは、時に組織にとってマイナスになる

マネージャーも自分で売ればよい

それは“プレイングマネージャー”ですが、やりすぎると部下が育たない


6. 営業職の具体例でみる “役割の違い”

プレイヤー

例:A社への新規営業

  • 事前調査

  • 訪問・ヒアリング

  • 提案資料作成

  • 商談

  • 契約

  • アフターフォロー

→ 自分の担当顧客へのアクションが中心


マネージャー

同じ営業活動でも…

  • A社はどの営業が行くべきか適切に配置

  • 訪問前に部下と作戦会議(課題整理・トーク設計)

  • 商談同行してフィードバック

  • うまくいかない場合は改善策を一緒に考案

  • 失敗事例・成功事例を組織で共有し、仕組み化する必要がある

→ “個別最適”ではなく“チーム最適”を考えるのが仕事


7. スタッフに伝えるべきメッセージ

プレイヤーは「成果を出す人」

マネージャーは「成果を出せる人を育てる人」

この役割の違いを理解せずに

“プレイヤーの延長線”でマネジメントをすると、

・部下が育たない

・自分が忙しくなる

・チームの伸びしろがなくなる

といった問題が起こります。


8. マネージャーが実践すべき3つの行動

① 教える(教育)

・業務のやり方

・考え方

・判断基準

・成功例・失敗例の共有
・方向性と大枠(仕組み)の設計(指示)

② 任せる(権限委譲)

・自分でやった方が早くても任せる

・任せたら口を出しすぎない

③ 振り返る(フィードバック)

・行動の良かった点、改善点

・数字を基にした分析

・次回の目標と行動設定


9. まとめ:最終的な違い

役割 プレイヤー マネージャー
主な使命 自分の成果を出す チームの成果を最大化する
フォーカス 顧客・商談 部下・仕組み・戦略
成果の出し方 自分で動く 部下を動かす
必要スキル 営業スキル 育成・分析・戦略

内容を見ると、当たり前の事でうなづく人も多い事でしょう。

ただし、これらを自分で言語化し実践できるかどうかというと、
単なる批評家的になっているケースが役員や管理職レベルでもどれほど多いことか。

いわゆるアンコンシャス・バイアス(Unconscious Bias)の典型です。

結果として、売上が上がってしまっている場合は特に厄介です。

細部に至るまで、理解把握し、運営の指針と内容を示すことができなければ
経営はおろか管理職すら勤まりません。

オーナーやファウンダーは、少なくとも権利はあるのですから、個々の適性を理解し
己が保有する利益を健全に得る為にも、経営と権利が異なることを正しく理解すべきです。

出資者が経営が出来るかどうかは全く別問題です。
また株式の保有率によっても権利は異なりますし、法的にも同等ではありません。
適材適所と言いますが、伸びやかに未来を構築できる組織作りをしたいものです。

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