現代におけるポピュリズムへの意識 その危険性 2026.02.10

現代社会におけるポピュリズムの拡大は、技術の進歩によって加速しているように見えるが、その本質は百年前にオルテガが『大衆の反逆』で描いた状況と驚くほど一致しています。

オルテガの言う「大衆」とは単に人数の多さではなく、
「努力せずに既得の文明を当然視し、自らを律する基準を持たない精神状態」を指しています。

つまり問題の核心は社会構造ではなく、人間の内面的態度にあるといえるでしょう。

ITとネット社会は情報の民主化を実現しましたが、同時に思考の省略を助長しています。
短い言葉、刺激的な断片、感情を煽る意見が拡散し、熟慮よりも即時反応が優先される環境では、ポピュリズムは自然発生的に強まるのは当然です。
国家運営でも企業経営でも、「支持されること」が「正しいこと」に置き換わる瞬間が増えています。

つい先般行われた選挙は、まさに現代ポピュリズムの申し子ともいえる内容でした。

オルテガの警告はここにあるのです。
大衆が多数決の力で方向を決めるとき、基準を失った社会は容易に水準を下げる・・・

さて、これを企業に置き換えて考えてみましょう。

現代の企業経営における最大のリスクの一つは、外部環境ではなく、組織内部のポピュリズム化です。

オルテガ『大衆の反逆』が描いた「大衆」とは、単なる多数ではなく、努力や自己規律を当然視しなくなった精神状態を指しています。
この状態は、SNS時代の企業にもそのまま当てはまります。
社内評価、顧客の声、短期的な売上、株主の反応といった“即時の支持”が、長期戦略より優先される瞬間、組織は静かに水準を下げ始めます。

IT環境は意思決定を高速化しましたが、同時に思考の深度を奪います。
そして数値や反応がリアルタイムで可視化されるほど、経営は「好かれる判断」に引き寄せられます。

ですが企業の本質は人気投票ではありません。
競争優位、持続可能性、人材の成長といった時間のかかる要素こそが価値の源泉です。
戦術の一つとして、「人気」を焦点にする事は問題ありませんが、オルテガの視点を経営に置き換えるなら、企業の劣化は外圧ではなく、内部の自己要求の低下から始まるのです。

個々の社員が意識すべき第一の点は、「自分の仕事の水準を自分で引き上げる責任」です。

少数者とは特別な才能の持ち主ではなく、自らに基準を課す人間だといえるでしょう。
会議で多数派に流されず、データを確認し、論点を整理し、短期利益と長期価値を区別する。

こういった態度は目立つものではありませんが、組織の知的体力を支える基盤になるのです。

迎合は摩擦を避けますが、思考停止は組織の衰退を早めます。

ただし、日本における企業の定義として大企業、中小企業のくくりには甚だ疑問が生じます。
例えば、売上100億円企業と売上10億円企業は同じ中小企業として扱われていますが、その実態は規模はもちろん内容にも大きな開きがあります。
個人的には、個人事業≒2億~売上10億円前後企業は少なくとも小企業に分類されるかと思います。※業種業態によって違いは当然生じます

ここでは、あくまでも主観による「小企業」に焦点をあてて、更に掘り下げてみたいと思います。

日本の小企業において最も見えにくい経営リスクは、資金不足でも競争でもなく、組織内部の“迎合の空気”であると考えています。
実際、弊社においても数百件におよぶコンサルティングの中で小企業が7割を超えますが、まさにこの状態だと認識しています。

オルテガ『大衆の反逆』が指摘したのは、大衆とは人数ではなく、自らに要求を課さなくなった精神状態だという点です。
この状態は大企業よりも、むしろ小企業に生じやすいと言えるでしょう。

なぜなら距離が近く、関係が密で、摩擦を避ける誘惑が常に存在するからです。

小企業では社長の判断がそのまま文化になりがちです。
ここで迎合が始まると、組織全体が一気に水準を下がってしまいます。

例えば、ミスを繰り返す問題社員に強く言えない、売上を優先するあまり価格基準を緩める、顧客の無理な要求を断れない、上司や経営者に問題があっても意見ができない、といった小さな妥協が積み重なることなど、一見良い状態に見えてもそれらは緩慢や惰性につながります。

これらは短期的には波風が立たず円滑に見えますが、長期的にはブランドも人材も静かに劣化していくのです。
これは資本の問題ではなく、精神の問題だと言えるでしょう。

小企業で働く個人が意識すべき第一のことは、「規模が小さいほど自律が必要になる」という事実です。
大企業は一見社員に対して鷹揚とした福利厚生や対応に見えがちですが、その実際における経営面(管理側)では、小企業以上にシビアです。

ルールや制度が未整備な分、一人ひとりの判断が会社の質を直接決めることになります。
多数の空気に流されるのではなく、トップや上司の意見に流されるのではなく、自分の仕事の基準を自分で守る。

気づきをふせない、品質を妥協しない、同調圧力より事実を優先する。

小企業ではこの一人の姿勢が、想像以上に全体へ伝播するのです。

一方、経営者に求められるのは“好かれる経営者”ではなく、“基準を示す経営者”です。

小企業ほど人間関係が濃いため、厳しい決断は感情的な摩擦を生むことでしょう。
しかし迎合は優しさではなく、責任の放棄とも言えます。

採算の取れない取引をやめる、不適切な行動、発言を許さない、将来のための投資を優先する。
これらは短期的には不人気でも、会社の寿命を守る判断なのです

重要なのは、命令ではなく説明です。物事の根本を説いた上で、基本的な考えを示すこと。

構造改革、人材の再配置、非効率事業の整理など、不人気な決断を回避すれば一時の安定は得られる事でしょう。
しかしそれは将来の選択肢を奪ってしまうのです。
迎合的な経営は衝突を避けるが、結果として組織の寿命を縮めます。

特に、小企業では経営者の言葉が直接社員に届きます。

だからこそ、なぜその判断をするのかを丁寧に語る責任があるのです。

ポピュリズムは無知ではなく、多くは理解不足から生まれます。
対話を重ねる経営者の下では、聞く耳を持ち考える社員は受動的な大衆ではなく、主体的な仲間へ変わるはずです。

もちろん経営者が、その思考の根幹、意義、方針を説き、会話や指導を重ねる中で、受け取る側の努力と進歩も不可欠です。
30代半ば過ぎてなお、一般的には・・・、内容が難しすぎる、言っても無駄、時代に合わない、などと言った、言い訳や他責にする人間は、少なくともマネージメントには不適格です。而立、不惑にも意味があるのです。

大切な事は、「どのようにすれば出来るのか?」です。 方法は一つではありませんし、人によって合う手法はあるでしょう。
そして何より、時代が変わっても人の本質は変わらないのですから。

人才在民间 
千里馬常有,而伯楽不常有 
事在人為

小企業の強さは規模ではなく、精神の密度にあると言えます。
自らに要求を課す個人と、迎合しない経営者の緊張関係が維持される限り、小さな会社は驚くほど強くなる事でしょう。
甘さと優しさは似て非なるものです。

逆に言えば、小企業の衰退は市場ではなく、内側の基準低下から始まる事が多いのです。
オルテガの警告は現代の小企業にもそのまま当てはまります。

人気ではなく水準を選び続ける組織だけが、長期にわたって存在理由を保ち続けるのです。
さて、皆様の会社の存在意義は? そして、貴方の存在意義は?

未来を見据え、楽しみながら考え続けましょう。

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