企業運営における「適性」と「権利」の勘違い | 株式会社然|食の専門コンサルティング
企業運営における「適性」と「権利」の勘違い 2026.04.01

然は創業して10年を超え、他社との連携も増え海外との取引も増えてきました。
その中で気づいたことではあるが、企業において繰り返し起こる大きな勘違いと誤解があります。


それは
「出資したのだから経営に関与して当然」
「売上を作っているのだから経営者と同等、それ以上の報酬を得るのが当然」という思考。

日本でもタイ王国でも、この混同は珍しくありません。
しかし経営の視点から見れば、権利・成果・能力はそれぞれ別の概念です。

今回は、出資者の誤認に加え、特に営業人材に多く見られる“売上=経営能力”という誤解について整理みたいと思います。


1.権利は法的概念、適性は機能的概念

出資は法的権利を生む。

営業成果は評価対象となる。


しかし経営は「機能」であり、「能力の総体」です。

経営者に求められるのは以下の能力といえるでしょう。

  • 全体最適の視点

  • キャッシュフロー管理能力

  • 組織設計と人材配置

  • リスク予見力

  • 中長期戦略構築力

  • 不採算事業の撤退判断

営業が優秀であることは、企業にとって極めて価値が高いことは事実です。
しかし営業能力と経営能力は同質ではありません。前者は市場攻略能力、後者は資源配分能力なのです。


2.なぜ営業人材は誤認しやすいのか

営業職は成果が可視化されやすい。
売上という数字は明確であり、達成感も大きい。
そのため「自分が会社を支えている」という実感を持ちやすいのです。

さらに人間の心理として、以下の欲求が作用します。

  • 承認欲求(自分の価値を認めてほしい)

  • 公平欲求(貢献度に比例した報酬を得たい)

  • 支配欲求(影響力を持ちたい)

売上の半分以上を獲得している営業担当者が「代表取締役と同等以上の報酬が当然」と考えるのは、心理的には理解できなくはありません。
しかし経営視点では、これは単純化しすぎた認識でしかないのです。


3.売上と利益は同義ではない

営業が生み出すのは売上である。

しかし企業を存続させるのは利益とキャッシュです。

経営者が背負っているものは、単なる売上管理ではありません。

  • 資金繰り責任

  • 法的責任(会社法・税法・労働法)

  • 債務保証責任

  • 組織崩壊リスク

  • 事故・不祥事リスク

営業が売上を半分作っていても、固定費構造を設計しているのは誰か。
採用判断をしているのは誰か。資金調達をしているのは誰か。最終責任を負うのは誰か。

売上は“前線の成果”。

経営は“全体の存続責任”。

この重さは同列ではなく、比較になるわけがありません。


4.営業と経営の本質的な違い

営業の最適化は「局所最適」である。

経営の最適化は「全体最適」である。

営業は目標達成に集中できる。しかし経営者は、営業以外の全領域を同時に考慮しなければならないのです。

  • 営業部の高インセンティブが財務を圧迫しないか

  • 売上至上主義がブランドを毀損しないか

  • 値引きが市場価格を崩壊させないか

  • 特定顧客依存がリスクを高めていないか

営業能力が高い人物が必ずしも経営適性を持つとは限りません。
むしろ、短期成果に偏重する思考は経営判断において危険になる場合すらあるのです。


5.報酬の考え方:役割と責任の対価

報酬は「売上規模」ではなく「役割と責任範囲」で決まるべきです。

営業の報酬は

  → 成果連動型(インセンティブ)

経営者の報酬は

  → 責任連動型(リスクと統治責任)

両者は構造が異なるのです。

もし営業担当者が経営と同等の報酬を求めるなら、求められるのは最低でも以下の内容はクリアしているべきです。
ただし、この場合は取締役に就任できる最低条件はクリアしているということです。

  • PL・BSを理解し運用できる

  • 資金調達ができる

  • 人事評価制度を設計できる

  • 法的責任を負える

  • 不採算部門を切れる

売上だけでは全く不十分なのです。


6.経営者の役割:欲求を制度で制御する

優秀な営業人材の不満を放置すると、組織は分裂します。
かと言って、勘違いを許容する必要は全く無い。勘違いはどのような組織でも通用しないからです。

よって経営者は、以下の構造設計が必要である。

  1. 明確な役割定義

  2. 成果連動型報酬制度の透明化

  3. 経営参加基準の明文化

  4. ガバナンスの分離(出資・経営・執行)

「売れる人間が偉い」のではありません。

「会社を持続させられる人間が経営者」なのです。


7.日本とタイに共通する構造的課題

日本では創業メンバーやトップ営業が役員化しやすい。

タイでは家族・資本関係が経営ポストと直結しやすい。

どちらの文化圏でも、情と実力の分離が甘いと企業は停滞することでしょう。

急成長期は営業力で拡大できます。
しかし安定期以降は管理能力が支配的になってしまいます。
ここで構造転換できるかどうかが企業寿命を分けるのです。


結論

出資は権利を生む。

売上は評価を生む。

しかし経営は責任を生む。

適性なき権力は組織を歪ませる。

成果なき主張は組織を疲弊させる。

企業は感情で動かすものではない。

役割と能力に基づいて動かすものである。

営業の貢献は尊い。

出資のリスクも尊い。

しかし、経営の椅子に座る資格は「能力」と「責任を負う覚悟」によってのみ与えられる。

この原理を制度として明確にできる企業だけが、持続するといえるでしょう。

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