ビジネス用語集:な行 | 株式会社然|食の専門コンサルティング

な行

内部監査

Internal Audit

ISO9001、ISO14001などのマネジメントシステムにおいて要求される、組織内で行う自らのマネジメントシステムを監査する活動のこと。

もう少し細かく記載すると、マネジメントシステムのPDCAサイクル(「P」Plan:計画、「D」Do:実行、「C」Check:点検、「A」Action:見直し)の『「C」Check:点検』に位置づけられる活動のこと。自社のマネジメントシステムの適合性、有効性を評価し、この結果をマネジメントシステムの改善(「A」Action:見直し)に活用し、PDCAサイクルをスパイラル的に継続することにより、自社の管理能力を高める役割を担っています。

内部監査では、ISO等規格の要求事項を満たしているか否かを確認することはもとより、より良いマネジメントシステムの構築を目指して、自社の品質あるいは環境などの向上に向けての課題を抽出していくことが重要であり、いかに質の高い内部監査を運営していくかが、マネジメントシステム構築の成功の鍵であると考えられます。

内部環境

企業がコントロール可能な自社の環境のこと。

内部顧客

社内で次の工程を引き継ぐ担当者、組織のこと。一般の顧客を外部顧客と呼ぶのに対し、従業員を内部の顧客とみなす考え方のこと。

内部顧客を満足させることは、最終的に外部顧客の満足につながるという考え方に繋がる概念といえます。

内部顧客を満足させられない場合、売り先を失ってしまうことになります。そうならないように、内部顧客の要望に耳を傾け、その満足度を高める施策をとるようになることが期待されます。

ナショナルブランド

大手メーカーが全国規模で展開するブランドのこと。National Brandの頭文字を取り、NBとも呼ばれます。

日本国内においては、食品や日用品を中心に1990年代からプライベート・ブランド(流通業者が独自に、或いはメーカーとタイアップして開発したブランド)の増加が見られ、他方で大手メーカーが全国的に展開するナショナル・ブランドの相対的なシェア下降が始まりました。

この背景には、不況などによる消費者の価格志向の高まりや、技術進歩による品質の底上げ、大型化・チェーン化・経営統合などによる小売店の交渉力の向上が関係しています。

プライベート・ブランドは一般的に、ナショナル・ブランドと比べて低価格の製品が多いが、これらに十分な品質や性能が備われば、消費者はナショナル・ブランドに対して価格プレミアムを支払う意味はないと判断します。このような状況下で、ナショナル・ブランドは価格の見直し、新たな差異化、新たなプレミアム製品カテゴリーへの脱却などの対策を迫られています。

ニーズ(ニーズ発想)

人間が生活を営む上で感じる「満たされない状態」のこと。 「安全でおいしいものが食べたい」「通勤に便利な家に住みたい」「おしゃれな服が着たい」といった衣食住に関するものから、「環境に優しい生活をしたい」「優雅な老後の生活を送りたい」といった社会的、文化的な事柄も含みます。

マーケティングにおいては、セグメンテーションをする際に、市場をニーズによって分類したり、新製品を開発する際に、顧客のニーズから発想したりする場合に使用します。

ニーズは、ウォンツ(欲求)と比べられることが多いです。ウォンツは、ニーズが具体的に表現された製品やサービスを求める感情です。例えば、日曜大工の店で顧客が「1ミリの穴を開けるドリルが欲しい」と言う場合は、ニーズではなく「ウォンツ」です。一方「本棚を作りたいのだが、1ミリの穴が開けられなくて困っている状態」は「ニーズ」です。

モノが不足している時代では、生活が不便であるためニーズは顕在化していたが、現代のようにモノが溢れている時代では、ニーズが顕在化することはむしろ珍しく、顧客の気付かないニーズを競合よりも早く発見し、競合が真似できない形で作り出すことができるかが業績を左右します。

※ニーズ発想

新製品開発の際に「顧客層にこんなニーズがあるが、何か解決方法はないか」という視点で考えること。対になる考え方に「シーズ発想」があります。

ニーズ発想は、アンケートや営業担当者からのフィードバックなどに加え、顧客層別のモニター・グループによるフリー・ディスカッションなどを通して発見された、顧客が漠然と心に抱いている不満や問題点に対する解決方法の提供という形で生まれることが多いです。

新製品や新事業を成功させるためには、顧客ニーズを無視することはできないため、ニーズ発想が重要とされることが多いです。しかし、新しい市場を創出する場合、当初は往々にしてニーズが明確に認識ケースも多いです。

ニッチャー(ニッチ戦略)

市場は小さいながらも、特定の領域で独自の地位を築いて成功している企業のこと。ノースウェスタン大学のP.コトラー教授は、企業の競争上の地位を「リーダー」「フォロワー」「ニッチャー」「チャレンジャー」の4つに分類し、それぞれの地位に応じた戦略を取ることが望ましいとしています。

大手が本気で参入してこないような市場の括りを発見し、そこに限られた経営資源を集中させて、高い専門性やブランド力を維持することで他社の参入を防ぐ戦略をとります。そのことで特定の顧客から熱い支持を得ることができます。

小さな市場に特化していても、環境変化により市場そのものが消滅してしまうリスクや、逆に市場拡大したときは市場がニッチでなくなり大手の参入を招くといったリスクがあります。そのため、複数のニッチ市場を持つなど、リスクの回避策が必要です。

日本経営品質賞

日本経営品質賞は、アメリカ経済の復活に寄与したといわれる「マルコム・ボルドリッジ賞」がもとになっています。日本において、この賞の仕組みを徹底的に研究し、1995年12月、財団法人 社会経済生産性本部が「日本経営品質賞」を創設しました。

グローバルな競争市場のなかで、日本企業が国際的に競争力のある経営構造へと質的な転換を図るため、顧客からの視点で経営全体を運営し、自己革新を通じて新しい価値を創出しつづけることのできる「卓越した経営品質の仕組み」を有する企業を表彰する目的で創設された表彰制度です。

認証/登録(認証取得)

Certification

ISOにおける認証/登録(認証取得)とは、第三者の審査登録機関(日本の場合は、JAB:(財)日本適合性認定協会 より認定を受けた審査機関)が、企業の品質保証システムや環境マネジメントシステムに対して、ISO9001(JISZ9901)やISO14001(JISQ14001)の規格の要求事項に適合しているか否かを審査し、適合している場合に、認証/登録をするものです。

審査は、それらのシステムが要求事項に対して適合してデザインされているか(通称、書類審査)、および、そのシステムが実際にそのとおり運用されているか(通称、実地審査)の二つの側面からなされます。

ネットワーク組織

Network Organization

従来の階層型組織よりも指示命令系統が相互依存型であり、緩やかな提携関係で結ばれている組織構造のこと。

ネットワーク組織は、企業間、部門間、個々人の間で形成され、異業種、異分野の壁を乗り越えることができえます。異質の情報を結びつけて、意味ある情報を作り出す場合にも適します。

プロジェクトチームやタスクフォースも異質、異分野を結びつけるが、これらは比較的大きなジョブまたはプロジェクトに有効です。これに対し、ネットワーク組織は、日常的なジョブやいくつかのマルチタスクにも有効です。

また、ネットワーク組織は、階層組織やタスクフォースよりも相互の結びつきや指示命令が緩く、その構成員は専属ではなく複数の組織に属すのが特徴です。各個人やグループは基本的にそれぞれ独立していて、必要なときに相互に情報や力を貸し合うのです。

イントラネットやエクストラネットなどの通信ネットワークの発展と、サプライチェーンマネジメントなどの企業の枠を超えた再編もあって、ネットワーク組織の適用は必然とも言える状況です。

年功主義

Seniority-based Human Resource Management

新卒を採用・育成し、年齢・勤続を重ねるごとに、徐々に処遇をよくしていこうというコンセプトのこと。同期的な結束力が、企業の活動力を強化したと言われている。終身雇用、企業内組合ともに、日本の高度経済成長を支えた日本的経営三種の神器の一つです。

生活コストにリンクしやすく、また将来に対する安心感があり、従業員側から見ても受け容れられやすい側面を持つコンセプトです。

しかしながら年功主義の賃金制度を採用した場合、人件費は右肩上がりの傾向が続き、低収益環境の中では収益圧迫要因のひとつとなります。

また、在籍・経験年数だけで高く処遇されるように見える制度に対する反発も、特に若手層をはじめとして強いです。

この年功主義の持つ課題に対応して、人事管理コンセプトは能力主義、成果主義へとシフトしていったが、一方で年功主義の持つ利点が再注目されて、年功主義要素を制度内に入れ込む企業も見られるようになっています。

年俸制

Annual Salary System

日本における年俸制は、その定義が明確に定義されているわけではない。ただし、日本で世間一般に言われている年俸制には、以下の特徴があります。

(1)定期昇給を廃止し、業績への期待等を考慮して一年単位での給与を決定する。
(2)年俸は、毎月支給される月例給与と、短期的なインセンティブの意味合いを持つ賞与で構成される。
(3)管理職に導入し、一般職等には年俸制は導入せず、定期昇給を残す。

日本で年俸制というとプロ野球の世界のイメージが強いが、このためか「評価次第で次年度の給与が下がる可能性のある人事制度」を年俸制と捉えられることがあります。この点のみに注目し、「わが社は年俸制を導入した」という企業があるが、(1)を満たさず、基本給と各種手当等で給与を構成しているところも多いです。

日本では1985年のプラザ合意直後に、藤沢薬品や東京ガスなどで年俸制が導入され、バブル崩壊後に導入企業が増え現在に至っています。しかし、日本の風土になじまないということで、導入を見送り企業も少なくないです。

能力主義

Ability-based Human Resource Management/Performance-based Human Resource Management

能力主義というコンセプトは、発揮能力と保有能力のどちらを重視するかによって、大きく二つに区分されます。

前者の場合は成果主義と同義語で用いられていることが多く、また、後者の場合は、職能資格制度・職能給等、オイルショック後の日本企業がこぞって導入したスタイルです。

保有能力に着目した能力主義のコンセプトは、年功主義の弊害が自覚されはじめる頃に、「できる人材」と「できない人材」を評価し、処遇に格差を付けるべきだとして登場しました。社員の能力向上を促す制度としても捉えられ、社員側からも評価されました。

実際は、役職ポスト不足に対して能力主義を採用した企業もあるが、この場合は実際の業務に関わらず処遇が定まってしまい、不公平感をきたしてしまう場合があります。また、能力向上を経験蓄積と捉えがちで、実際の処遇は年功主義的な右肩上がりになる傾向もあります。

能力主義のコンセプトは、個人の能力に着目しており能力をどう測定するかがキーポイントとなっており、詳細な職能要件を整備するなどして対応しています。

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