今回は、『デザイン経営』というものに焦点をおいて話をしようと思います。
デザイン×経営 さて、そもそもデザインとは?
これについては良くも悪くも混同され、様々な解釈があります。 ここでは、ビジネスを基盤に商業においてのデザインを前提に話をしたいと思います。
まずは一般的な解釈を見てみましょう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 作ろうとするものの形態について、機能や生産工程などを考えて構想すること。 意匠。設計。図案。「自分で―した服」
‐ 大辞林 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ デザインは日本語では「設計」にもあたり、「形態」や「意匠」と訳されてきたが、 それだけに限らず、人間の行為(その多くは目的を持つ)をより良いかたちで適えるための「計画」も意味する。 人間が作り出すものは特定の目的を持ち、それに適うようデザイナー(設計者)の手によって計画されるのである。
デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく、“計画を記号に表す”という意味のラテン語designareである。 つまりデザインとは、ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することと解される。
‐ Wikipedia ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
さぁ、どうでしょう? 何となくデザインの意味が掴めてきたかと思います。 ここで、ある2人の有名な人物のデザインに対する考え方を紹介したいと思います。
◆「デザインはどう機能するか」◆
Design is not just what it looks like and feels like. Design is how it works. デザインとは、単にどのように見えるか、どのように感じるかということではない。どう機能するかだ。
‐ スティーブ・ジョブズ
◆「思考の密度が高ければ、デザインの密度も高くなる」◆
デザインを支える「思考」は、目に見えない部分であるけれども、 形として表されたデザインと同様に重要なものです。 デザイニングという仕事は、思考を目に見える形に練り直す作業そのものといえます。 (中略) 考え、そして表す。 形にする以前の思考の密度が高ければ高いほど、デザインの密度も高くなる、ということでしょう。
– ソール・バス 『Saul Bass: A Life in Film and Design』 より一部引用
その他にも、デザインの解釈として下記のような説明もあります。
デザインの意味・概念
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デザインには、設計・意匠・計画・構想・機能といった意味合いがある
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デザインは「思考というプロセスを経た結果としての表現」である
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デザインは問題解決のための手段
さて、デザインと経営の関連性を考える場合、 いわゆる製品を市場に送り込む際、社会にどんなインパクトを創り出していくか! ということを戦略的に考えて動くという、いまや欧米では一般的な経営手法でもあります。
重要視されているのは、『意味』 『経験』。 例えば、アップル社は製品のすべてに、「自由になるために知的に武装する道具」というストーリー性、文学性を織り込み、 カリフォルニア州におけるカウンターカルチャーの申し子という企業イメージを定着させることに成功しています。
また世界の時価総額の上位を占める「GAFA」(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)は、 経営形態が非常によく似ています。 経営幹部には、必ずデザイナーがいて、そのデザイナー達が研究開発や財務管理にも精通し、デザイン目線で技術と経営の一体化を構築するという重要な役割を担っているのです。
IBMにおいても、エンジニア8人につき、一人のデザイナーを配置する人事制度がスタートし、 重要なプロジェクトには必ずデザイナーが参加しています。
ここで、面白い現象がおきています。 リーマンショック以降、ビジネススクールに参加する学生は減少、 一方で企業がアートスクールに参加させる幹部候補生の数は増加が続いています。 アメリカのグローバル企業が相次いで著名な大学でのデザインスクール研修を課しているというのが現状です。
これがどういうことかというと、 『経営に求められるものが、サイエンスだけでなくアートにも求められるように変化しつつある。 そして理論・理性から感性・情緒といったものへ、つまり左脳から右脳へのバランス変換が起きている」 と言えるでしょう。
以前、このブログでも述べましたが(ロジカルシンキングの限界)、 フレームワークなどで、同じスキルを持ち同じ答えを出せる人が増えると いわゆる『正解の陳腐化』がおき、企業が差別化の手段を失ってしまう結果になりかねないのです。
一方、デザイン、アートスクールで教える内容は、 「リベラルアーツ(教養)」であり、答えは感性や美意識によって導かれ、 それは携わる人の数だけ存在することになります。
つまり、情報や手段が画一化しつつある現代の企業にとって 差別化戦略できる手法であるといえるでしょう。
実際米国では、デザイン経営を実践する企業の株価が2005年~2015年までの10年間で S&P500種株価指数の銘柄全体と比較して2倍強上昇しています。
日本でも、特許庁を中心にデザイン経営のための指針、指標作りがはじまり、 武蔵野美術大学が来春、ビジネスとデザインを融合させる新学科がスタートします。
最終的には、左脳的なロジカル思考を踏まえた上で、 リベラルアーツ、教養を基盤とした高い感性と情緒を併せ持つことが、 これからの経営に必要なのだと思うのです。
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